2015/9/3 Thu

国内最大級の広告運用チームを支える「ツール」 (2)

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北出 庫介

株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 ディシジョンエンジン推進室

 

前回は、運用ツールの必要性や効果的な使い方についてお伝えしました。

国内最大級の広告運用チームを支えるツール:第1回


今回は、当社で活用しているサービスの具体的な事例をご紹介していきます。
まずご紹介する事例は、Google社がGoogle AdWords に関する情報を更新している公式ブログ「AdWords Blog」にも、改善事例として2度ほど取り上げていただいた、「広告カスタマイザ」の活用事例についてです。

「広告カスタマイザ」とは

最初に「広告カスタマイザ」のサービスのご説明をします。
「広告カスタマイザ」とは、フィードを活用し、ユーザーの検索に基づき、カスタマイズされたテキスト広告を動的に生成、配信ができる機能です。
この機能を活用することにより、価格や在庫数など日々変動するものに対して、1本の広告を入稿しておけば、フィードを更新することにより広告の訴求内容を動的に変動させることができます。
そのため、広告の表示回数を増やすことができ、その広告の適切な評価機会を与えることが可能になります。

ほかにも、広告テキスト内の数値が変更されるたびに、広告の審査を待つ必要がなくなるため、活用しない場合に比べ早くキャンペーンを開始することもできます。

広告カスタマイザの活用方法

広告カスタマイザを活用するにあたり、大きなアカウントであれば、必ず、「1アカウントごとに毎日フィードを変えていくことができるのか?」という壁にぶつかると思います。コラムの第1回目でもお伝えしたとおり、圧倒的に大きなリソースがある場合を除いて、大量のデータを人力で処理するのは、厳しいと言わざるを得ません。

その課題に対して、当社ではどのようにしているかというと、当社が提供している「CA Data Feed Manager(シーエーデータフィードマネージャー)」(※1)と「Search Suite(サーチスイート)」(※2)を連携させて、活用しています。
「CA DataFeed Manager」上で生成したデータフィードを「Search Suite」に送信し、さらに「AdWords API」(※3)を利用して、フィードデータの更新を自動で行うことにより、Google AdWords広告にデータフィードの情報を反映させています。

「広告カスタマイザ」の活用事例

では、実際にどのようにして「広告カスタマイザ」を活用しているのか。実例を交えてご紹介していきます。
まず、「AdWords Blog」にも掲載していただいた、金融業界のお客様の事例は、以下の通りです。
現在の時間帯に合わせて、広告に表示されている時間を動的に変えることにより、時間を意識しているユーザーの関心をより確実に引きつけることができました。その結果として、クリック率を約150%、コンバージョン率を約120%改善することに成功した事例です。

他にもEC業界の事例として、カウントダウンを使ったタイムセールなどの時間訴求や、最低価格の訴求などを動的に表示することができます。
もちろんこういった内容は、EC業界だけではなく、例えば人材業界であれば案件数、不動産業界であれば物件数など、各業界に適した様々なデータを活用し、広告の動的な訴求をすること可能です。

将来的には、検索語句だけでなく、活動している場所、年齢や性別、曜日、時間帯、デバイスなど、検索したユーザーの「その時」に応じて広告内容が変動する世界がやって来ると思っています。その時に1つのキーとなるのが、この「広告カスタマイザ」だと私は考えています。

もちろん今回挙げた例だけに留まらず、お客様が持つデータと広告を、データフィードを介して連動させることにより、より多くの広告成果に繋がることができていくのではないでしょうか。


次回は、当社で取り扱っている自動入札ツールの活用について取り上げていきます。
(※1)CA DataFeed Managerとは
「CA DataFeed Manager」は、企業が保有する自社の商品データに基づき、各広告配信先の仕様にあわせ最適化したデータフィード(※2)を生成するツールです。本ツールを導入することで、サイト上の商品データを一元管理できるだけではなく、生成したデータフィードの追加・変更・削除などオペレーションに関する管理コストの削減も可能となります。

(※2)Search Suiteとは
株式会社サイバーエージェントが提供する検索連動型広告向け統合型運用プラットフォームです。SEMの運用機能に特化し、各種レポート機能、入札機能等が装備されています。今後も機能の拡充を図ることで、更なる進化が見込まれるインターネットマーケティングの分野において広告主に最適なインターネット広告ソリューションを提供してまいります。

(※3) AdWords APIとは
Googleが提供する広告「Google AdWords」専用の管理システムです。 AdWords広告の出稿・予算設定・単価調整などの基本的な機能を備えているほか、最適化ツールや各種ユーティリティが使用できます。
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