2016/3/7 Mon
国内最大級の広告運用チームを支える「ツール」 (6)
北出 庫介
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 ディシジョンエンジン推進室
前回は、順位管理自動入札ツール「KURO OBI’d(クロオビ)」についてお伝えしました。
今回は、検索連動型広告における、検索クエリをもとにしたキーワード追加機能の「KW Suggest(キーワード サジェスト)」について書いていきたいと思います。
「KW Suggest」とは
「KW Suggest」は、検索連動型広告において、検索クエリを既存の広告グループに効率よく正確に追加していくための、キーワード追加の機能です。
このツールを活用することで、発生した検索クエリを正しいキーワードで、関連性の高い広告グループに簡単に追加することが可能になります。
検索クエリレポートで効果を確認する際の注意点
検索クエリとは、Yahoo!やGoogleで取得できる、実際にユーザーが検索したキーワードのデータのことです。アカウントに登録したキーワードをもとにして、ユーザーが実際に検索したキーワードがどのようなもので、どのような効果をもたらしたのかがわかります。
例えば、「生命 保険」というキーワードをフレーズ一致で買っていた場合、そのキーワードが「生命 保険 安い」といった検索クエリにも反応し、検索クエリレポートでその効果も確認できるようになっています。
ただ、検索クエリレポートをそのまま見ても、実際の正確な検索ワードがわからないことが多くあります。以下の例のように、キーワードの間にスペースが入ってくる場合があるためです。本当にスペースが入っている場合もあるのですが、多くの場合、形態素解析のような処理(検索キーワードを言葉と捉え、その言葉を分解する)がされた状態で出てきていると考えられます。
広告グループへのキーワード追加
「KW Suggest」においてキーワードを追加する際には、システムで以下の図のようなフローで処理が実施されます。
検索レポートで出てくるクエリは膨大な数になってしまうため、事前に、例えば「CV何件以上」などクエリの条件を指定します。そして、その条件にマッチする検索クエリが発生した場合に、そのクエリを自動でキーワード化し追加すべき広告グループを判定します。
ツールで効果を出していくには
「KW Suggest」は、今回ご紹介した検索クエリ追加の機能だけではなく、キーワードの除外や削除など、他にも多くの機能を兼ね備えているため、それらをアカウント設計とうまく組み合わせて使うことが非常に重要です。
アカウント毎にパーソナライズされているツールではないので、ただ使うだけではパフォーマンスを十分に発揮させることはできません。状況に応じてうまく活用することで、今後の運用において効率をはるかに良くすることができます。
アカウントによっていろいろなパターンやケースがあるので、広告効果を最大化するためには、ツールの活用も含めてアカウント設計をしていくことが大切です。
第6回はこの辺りで終わりにします。
次回も引き続き、当社が取り扱うツールについて取り上げていきます。
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