2015/10/13 Tue

国内最大級の広告運用チームを支える「ツール」 (3)

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北出 庫介

株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 ディシジョンエンジン推進室

 

国内最大級の広告運用チームを支える「ツール」 (3)

前回は、広告カスタマイザ(フィードを活用し、ユーザの検索に基づきカスタマイズされたテキスト広告を動的に生成、配信ができる機能)についてお伝えしましたが、今回は、当社の自動入札ツールの一つについてご紹介していきたいと思います。

今回ご紹介するのは、2015年4月にリリースをした、検索連動型広告向けユーザー属性別自動入札ツール 「MIYABI’d(ミヤビ)」です。

ユーザー属性別の入札とは

まず、ユーザー属性別の入札とは、どのようなものなのかをご説明します。
検索連動型広告の例ですと、同じキーワードでも、性別や年齢など、閲覧するユーザーの属性によって効果は違ってきます。
他にも、地域や時間帯など、多くの属性によって効果に差が出てきます。
従来、Google AdWordsが提供するPowerful Bidding(※1)を使わずに差配をつけるには、以下のようなアカウント構造があった場合に、分けたい属性毎にキャンペーンや広告グループを分ける必要が出てきます。
(※1) Powerful Bidding・・・個々のターゲティング(年齢、性別、地域など)に応じて、入札を柔軟に調整出来る機能。
非常に極端な例ですが、例えば都道府県別に分けたい場合は、同じキャンペーン構造を48(47都道府県+不明)作る必要が出てきます。

これによって、どういったことが発生するかというと、

・広告の表示機会の分散
→分散されることにより、広告に適正な評価機会が与えられない

・入稿やレポーティングの工数の増加
→1つのキーワードを入稿するとしても、48キャンペーンに入稿する必要が発生する
など、広告への影響だけでなく、管理工数の増加にも繋がっていきます。

「MIYABI’d」とは

「MIYABI’d」はGoogle AdWordsが提供するPowerful Biddngの機能を、AdWords API(※2)を活用することで、ユーザー属性に応じた入札差配を実行する自動入札ツールです。属性別のレポートをシステムで毎日自動で取得し、当社の独自ロジックによる属性別の効果差から適切な入札額を求め、Powerful Biddingにおいて、APIを通じて入札調整率の変更を自動で行います。
(※2)AdWords API・・・Google が提供する広告「Google AdWords」専用の管理システムです。AdWords 広告の出稿・予算設定・単価調整などの基本的な機能を備えているほか、最適化ツールや各種ユーティリティが使用できます。
以下、入札差配の事例です。
Powerful Biddingを活用する事により、アカウント構造を細分化せずに入札差配を実施する事が可能になります。細分化され膨大になるアカウントをまとめ、さらにその中で入札の差配を行うことができるようになっています。

「MIYABI’d」の活用について

入札は、あくまでも現在のアカウントの状態において、コスト毎のポテンシャルをMAXに近づける打ち手です。
効率的にCV数を増やして、効果を出していくために、入札だけでなく、以下のような手法などでアカウントのポテンシャルを引き上げることが重要です。

・獲得可能性のあるキーワードの追加
・過去に獲得実績のない高コストキーワードの停止
・除外キーワードの設定
・全体のCVRを引き上げるLPの導入


入札を上げる選択肢を多く作るために、アカウントのポテンシャルを上げる施策に運用の時間を投資し、入札は常に最新の状況にアジャストする“仕組み“が自動入札ツールです。


第3回はこのあたりで終わりにさせていただきます。
次回も引き続き、当社で取り扱っているツールについて、事例を交えて取り上げていきます。
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