2019/7/23 Tue
WebマーケティングでCPAが90%削減し獲得件数が2倍に。アルバイト求人情報サービス「an」における2年間の施策量のチャレンジ!
~BIツール「CA Dashboard」導入で、より施策に専念できる環境づくりを実現~
森田 陽介 氏
パーソル キャリア株式会社
プラットフォーム事業本部 マーケティング本部 マーケティング統括部 ブランドコミュニケーション部 WEBマーケティンググループ 第2チーム
リーダー
姉川 努 氏
パーソル キャリア株式会社
プラットフォーム事業本部 マーケティング本部 マーケティング統括部 ブランドコミュニケーション部 WEBマーケティンググループ 第2チーム
西舘 広高
株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 営業局
マネージャー
青木 亮
株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 営業局
チーフアカウントプランナー
喜屋武 尭
株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 セントラル運用設計本部
シニアビジネスアナリスト
パーソルキャリア社の提供するアルバイト求人情報サービス「an」の、Webマーケティングにおける2年間の取り組みとその効果について、パーソルキャリア社より森田氏、姉川氏を迎え、当社担当者の西舘、青木、加えて、当社の提供するBIツール「CA Dashboard」を担当する喜屋武と共に、インタビュー対談を行いました。
施策の全体最適化を図るため、代理店を一本化に。
―当時の課題感
森田氏:当社パーソルキャリアはグループビジョンとして、“人と組織の成長創造インフラへ”というのを掲げており、その中で転職支援やアルバイト・パート領域の雇用促進のためのマッチングメディアなどを行っています。グループ会社を含めると派遣事業等、HR事業全般をやっている中で、我々はアルバイト求人情報サービス「an」のサイトの企画運営、およびユーザー集客を担当しています。
当時2017年7月の課題感は、大きく2つありました。
ひとつは、様々なプロモーション施策を当時から行っているのですが、個別最適化がされていて全体最適化がされていなかったということ。全体最適を図ることで、より投資対効果を最適化していきたいと考えていました。
もうひとつは、「アルバイト情報」という市場において、競合企業が多く、市場が寡占状態になっており、なかなか各社との戦略差がつけられない状況にありました。
ビジネスモデルが割とシンプルで、そしてユーザーのニーズもシンプルなため、戦略による差別化というよりは、“各施策の精度をより上げていく”ということが課題視されていたので、競合企業と比較すると、まだまだ伸びる余地があったなというのが当時の課題感です。
そして、プロモーション領域全般を一緒に並走頂けるパートナーを改めて見直したいと思っており、サイバーエージェントさんから良いご提案を頂いて、一緒に取り組みを始めました。
CA西舘:貴社からコンペの話を頂き、「代理店を一本化する」と。現状、点のプロモーションになってしまっているところがあるので、それを線にしていかないといけないという話に加え、当時のアルバイト業界におけるanの業界順位を上げていくことを掲げ、それを直近3年の間に本気で変えようというタイミングでいらっしゃいました。
なので、広告をどうするか?というよりは、どうやってanの事業を伸ばしていけるか?ということを念頭に置いてチャレンジしよう、と当時より一緒に取り組ませて頂いています。
そして、ここ1年くらいに関しては、パーソルキャリアさんの営業戦略も伺いながら、結果を出すことに共に取り組んでいます。
圧倒的な施策量とスピードで、両社で積み上げてきた2年間
―最初の立て直しからのフェーズから、どのように進めていったのでしょう?
CA西舘:当時は、リスティング広告の検索型連動広告にテコ入れするところが結構あって。
最初に移管した時は、前の代理店さんが作っているアカウントをそのまま運用していたのですが、少し手を加えただけでCPAが下がり、コンバージョン110%くらいにすぐ伸びました。なので、まず注力したのは、検索のところです。
森田氏:ステップで行くと、そのままリスクなく移管する「平行移管」のステップ0。
次のステップ1が、まずはネガティブポイントを潰しましょうというフェーズ。
ステップ2に、「競合差分」。どこで我々は伸びていくかを試行するというフェーズです。
今では、アッパー領域、認知領域までをサイバーエージェントさんにご支援頂いて、フルファネルでの最適化、最大化に尽力を頂いているというステップになっています。
ー意識していた点とは?
CA西舘:結論として、この2年間の積み上げが今にしっかり効いてきているということです。僕も様々なアカウントをやってきていますが、パーソルキャリアさんのようにこれだけの施策量を、スピード感を持ってやって頂けるお客様は本当に珍しくて。
施策は、代理店が考えるだけでは十分ではないのものです。けれどパーソルキャリアさんの場合は、パーソルキャリアさんからも施策のご意見をしっかりと頂けるし、また実際にお伝えしたことをきちんと施行して下さるというのがとても有難いです。この施策の積み重ねは、ものすごく大きかったなと思います。
森田氏:日々意識していることは、メンバー各人の介在価値を出していこうということ。単純に出てくる数字だけを見て運用調整、オペレーションを行っているだけだと、今後のキャリアの拡張性もないですし、自分がその時期にいたということをいかに証明し結果に返すか。ということを意識し取り組みましょう、ということは大事にしています。
ー具体的に、どのくらいのプロモ―ション効果が?
CA西舘:応募件数が、リスティング広告においては、昨年の同月比でCPA が約90%に下がり、コンバージョンが2倍になっているタイミングもありました。ダイナミックリターゲティングにおいても、CTR 1%を目指そうと話をしていましたが、かなり近付いてきてますね。
姉川氏:はい、近づきましたね。
―予算もどんどん増えているんですよね。予算増額しながら CPA が下がりコンバージョンは2倍になっているって凄いですよね。
CA西舘:広告の話だけではなく、パーソルキャリアさん側でも案件数をすごく増やして頂いたり、サイトの改修して頂いたりと、パーソルキャリアさん側でも様々な施策をやって頂いているので、両者の施策がしっかりと効いているのだと思います。
CA青木:お客様と代理店という関係値ではなく、お互い何でも言い合えるような関係性を築けているパートナーだと思います。「ここはダメ」「ここはもっとやっていこう」など、しっかりと双方に言い合えているので、日々の施策や今後チャレンジしていきたいことにも積極的に進めていける状況にあるのかなと思っています。
姉川氏:我々は、「事業領域の中でもっと改善できることは何なのか?」といところを探していき、そして、代理店さんにお任せして改善していくところは互いに案を出し、各々が力を出し合うという関係性が築けていますね。
予算の多くを占めていたテレビCMから、Web動画広告に出稿を寄せたチャレンジ
CA西舘:すごくチャレンジ頂いたなと思うのが、Web動画の件です。
パーソルキャリアさんは、
“テレビCM” と “Web動画広告”、両方のプロモーションをされてますが、テレビCM の広告投下比率がほうが高かったのです。ところが、最近、テレビCM をやらずにWeb動画に寄せて頂いた月があって。
その結果として、anがWeb動画に絞った時期、
各競合企業さんの認知度は下がっており、anだけ認知度が上がるという効果が見られました。
広告投下しているテレビCMをWeb動画に寄せてみて頂く提案を、パーソルキャリアさん同様に若年層をターゲット層にもつ他のお客様にもするのですが、
テレビCMを無くすという判断をして頂けるお客様はいないんです。
―テレビCMを無くすというご英断がすごいですね、会社としての。
森田氏:当時、予算の多くを占めていたテレビCMを無くす判断ができたのも、それ以外の
Webプロモーションの獲得領域で改善が進んでいて、効率化できた分の余力があったからです。
なので今回この判断ができたのも、弊社内でのジャッジのみならず、それ以前のサイバーエージェントさんとの取り組みの成果があってのものかなとも思っています。
―嬉しいですね。こういった関係性が築けていた中、当社独自のビジネスインテリジェンスツール「CA Dashboard」のご提案をさせてもらったのが、昨秋のタイミングでしょうか。
CA青木:はい、リリースとともにご提案したところ、「すぐやりましょう」というご判断をいただきました。
―提案して、すぐに決断して下さる会社さんはそう多くないですよね。
CA喜屋武:はい、やはりすぐにご決断いただけるお客様は多くはないかと思います。お客様に合わせてレポートのデザインをしていることが多いため、今まで使用しているエクセルレポートのほうが扱いやすいなどご意見いただくこともあります。
一方で弊社としては、
テクノロジーを活かし、お客様へ新しいユーザー体験を提供していくことにどんどんチャレンジしていきたいと思っています。
今までですと、朝イチで前日実績レポートの確認ができるというのは、なかなか難しい状況でしたが、「CA Dashboard」を利用することで、朝イチで前日実績レポートを確認できるのはもちろんのこと、さらに、外部計測ツールの実績を紐づけた状態で提供でき、リッチなビューでレポートを閲覧いただけるという点が非常に強みです。
※CA Dashboardについて
サイト:https://www.cadashboard.jp/
プレスリリース:https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=21810
使用していたエクセルレポートと外部BIツールから、「CA Dashboard」に集約
―社内でエクセルレポートだったものを、「CA Dashboard」に徐々に切り替えていかれたのですか?なお、外部のBIツールも含めて、併用されていたのでしょうか?
森田氏:全部です。元々は、エクセルレポートも外部のBIツールも使い、広告効果レポートを管理していました。それを今回、
エクセルレポート、外部のBIツールの両方を止めて、「CA Dashboard」の一本化をしていきました。
―導入してみて、どんな活用ができ、効いていると感じますか?
森田氏:主に、社内の週次の進捗報告は「CA Dashboard」のレポートを使っています。他にも、各担当との日々の進捗確認や、過去・長期と比較し施策効果がどう出ているのか?といったところは「CA Dashboard」で共有し確認しています。
「CA Dashboard」にまとめてからは、複数のエクセルを開いて、くっつけて、自分でグラフを作ってみて、、というような当時の作業はなくなりましたね(笑)。
CA喜屋武:まさに狙っていたところです。「CA Dashboard」の良さとして、配信実績を横断的に見ることができるという点があげられます。
今までだと、例えば、前日実績レポートファイルが媒体毎に分かれており、毎回それぞれをダウンロードして確認しなければならないという手間がありましたが、「CA Dashboard」では実績が集約されているためそれらの作業はなくなり、WEB上でまとめて閲覧することが可能になります。
CA青木:わざわざ各媒体の管理画面に入らなくても、「CA Dashboard」であれば一画面で各媒体の効果モニタリングができますからね。
CA喜屋武:また、キャンペーン別やアドグループ別などの粒度毎の閲覧など、好きなタイミングでインタラクティブに切り替えることができます。エクセルレポートでこれらを実現しようとすると、シートの行き来やフィルターの変更など細かい操作が必要になるのですが、意外に工数とられますからね。そういった小さな工数も「CA Dashboard」ではなくすようにしています。
さらに、一押しなのは、“クリエイティブの表現”です。クリエイティブの情報を取得している媒体であれば、静止画や動画を「CA Dashboard」上で再生することが可能です。
―工数でいうと、具体的にどれくらい削減されたのでしょう?
森田氏:グループ全体で作業時間は確実に減っている、という体感値はあります。
例えば、具体的に今まで見えていなかった、各担当者が社内説明をするための施策立案向けに、エクセルに落として切り口を考えて、とやっていた作業はなくなります。それを換算してみると、一人1時間の作業時間だとしたら、単純に週3、4時間以上は減るんじゃないかなと思います。
―またエクセルレポートに戻す、という状況って考えられますか?
姉川氏:もう考えたくないですね(笑)。エクセルだと、人的なのでたまにミスも起こるんです。例えば、関数が間違っていたり、関数入力と直接入力が混ざっておりその要因を考えてるだけで半日終わる、なども発生し得てしまいますので。
―「CA Dashboard 」を活用頂いている中で、こんな機能が追加されたら、と思う点はありますか?
森田氏:「CA Dashboard」の今後のロードマップや機能開発についても知らない中でお話しさせて頂くと、3点あったらいいなと思っていることがあります。
一つは、施策効果は内的要因だけでなく外的要因によっても変化するので、競合環境やユーザーのトレンドが分かったりすると、この KPI の変化は外部環境のコレによってもたらされているとか、今後こうなる可能性があるのでこういう施策を考えよう、と繋がるなと。
もう一つは、とはいえダッシュボードだけで完結しない、より深い分析もしなくてはいけないと思っているので、分析の広がりというのはあったらよりいいなと思っています。
最後、三つめはコミュニケーションツールになるともっといいのかなと思っていて。
例えば、青木さんがこのタイミングでこういう施策をこの日にやりましたというフラグがついていたりすると、過去を振り返ってみたときに、この効果が良くなっているのってここでこれをやったからかなとか、ここで事故がありましたなどがログとして残っている、と長期間データが見られて、担当者が変わっても引き継ぎがよりスムーズにできるのかなと思っています。
CA喜屋武:貴重なご意見をありがとうございます。ちょうど弊社でも色々と検討しているところでしたので、是非反映させていただきたいと思います。また、嬉しいことにたくさんのご要望をいただいておりますので、優先度をつけながら提供していければと思います。
弊社としては、自分たちが作りたいものを作るのではなく、よりお客様のビジネス成功に向け様々なご意見をいただきながら、本当の意味で「良いプロダクト」を作りたいと思っています。
CA西舘:社内で作っているツールだから、改善へのフィードバックを伝えると、反映スピードが早いでの、すごく助かっています。
―サイバーエージェント内で、プロダクト開発できることも強みですね。
CA喜屋武:サイバーエージェントでは、営業による提案力、媒体のアルゴリズム分析に基づいた最適な広告運用、オペレーションやクリエイティブ制作の専門子会社などの体制を整えています。加えて、「CA Dashboard」のようなテクノロジー領域においても自社で開発することができます。これらを組み合わせることで、お客様のビジネス成功へ向けて尽力させていただきつつ、先端テクノロジーによる新しいユーザー体験をどんどん提供していければと考えています。
顧客の事業における利益をきちんと生み出す、パートナーとして
―今後の展望
森田氏:我々はこの市場ではまだまだチャレンジャーな立場ではあるものの、最も利用されるメディアになるということを社内で掲げています。その思想の元、営業も企画も一丸となり取り組んでいる中で、マーケティング施策の研ぎ澄まし、というのは引き続き優先課題です。そこについては、引き続きサイバーエージェントさんとタッグを組みながら、今まで以上に成果を上げていければなと思っています。
加えて、先ほど西舘さんが仰って下さいましたが、単純なコンバージョン応募件数の拡大のみならず、どうしたら事業貢献に繋がるのか?という視点でご支援頂きながら、事業の拡大に向けた並走パートナーとして進めて引き続きご一緒できれば嬉しいです。
CA西舘:嬉しいですね。目の前のコンバージョンはもちろん大事ですが、最終的にきちんと事業の利益を生み出すことができているか?というところにどれだけ僕らが貢献できるか、引き続き尽力させていただきたいです。
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取材・執筆: 加藤 貴子 (株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 広報)
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