2016/4/6 Wed
エイチーム社のFacebook動画広告海外プロモーション成功の理由
~US配信成功に導いたFacebook広告運用~
柴田 健介 氏
株式会社エイチーム エンターテインメント事業本部 マーケティンググループ マネージャー
和田 隆照 氏
株式会社エイチーム エンターテインメント事業本部 マーケティンググループ プロモーションチーム
水谷 彩 氏
株式会社エイチーム エンターテインメント事業本部 マーケティンググループ プロモーションチーム
福本 武志
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 シニアアカウントプランナー
増田 光恵
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 インフィードコンサルティング局 局長
塩田 侑範
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 インフィードコンサルティング局 チーフコンサルタント
本格RPGを楽しめるリアルタイムバトルのアプリ「ユニゾンリーグ」や「三国大戦スマッシュ!」のプロモーションにおいて、Facebook動画広告かつ海外配信を実施。
国内配信と海外配信の特徴や、海外プロモーションの成功秘話を、株式会社エイチームより柴田氏、和田氏、水谷氏を迎え、当社担当者と共にインタビュー取材を行いました。
Facebook動画広告のUS配信を始めた背景
和田氏:本格RPGを楽しめるリアルタイムバトルのアプリ、「ユニゾンリーグ」のプロモーションにおいて、Facebook広告を以前より配信していました。そして、昨年2015年11月に動画広告で、かつUS配信を初めて実施しました。
柴田氏:以前より、動画広告を試したいと興味を持っていました。そんな中、御社より、動画クリエイティブの制作から配信まで、全てワンストップで高速PDCAを回していきますというご提案をいただき、初めて動画広告の配信を行ったんです。
CA塩田:US配信の動画広告において、あれほど多くのクリエイティブを制作し高速PDCAを回すことができたのは、そのための体制を弊社内で整備したことが、まず成功したひとつの大きな要因だと思っています。数多くのクリエイティブ制作には、Web動画に特化した広告代理事業を展開する、当社子会社のサイバーブルの力を借りながら一緒に取り組んでいました。
柴田氏:そうですね、御社のFacebook広告における運用体制がきちんと整っていてとても安心感がありました。
それと、2、3年前くらいからずっと福本さんが営業に来てくれていたんです。発注はなかなか出来ずにいたのですが足繁く来てくださっていて、いずれは一緒にお仕事したいなと思っていました。
チャレンジポイント
CA福本:動画広告配信直後に、ひとつ発見があったんです。
ユニゾンリーグは本格RPGのバトルゲームなので、戦闘シーンを描いた動画クリエイティブがユーザーに響くのではないかと予測していました。
まず動画を制作する上で、様々なクリエイティブパターンを作り検証を行ったのですが、効果が高いだろうと予測していた戦闘シーンを描いたバトル系クリエイティブ全ての数値が、なかなか伸びなかったんです。
バトル系以外のクリエイティブに、アバターをメインにしたクリエイティブも用意していたのですが、このクリエイティブが、初日の数値はかなり悪かったものの、2、3日目くらいからどんどん数値が良くなってきたんです。
海外配信なので、ウケるキャラクターや文化が日本とアメリカで全く異なるため、どの程度カルチャライズするのが良いのか、という不安はありましたが、そこからクリエイティブをシフトさせていき、クリエイティブの傾向がだんだん掴めてきました。そこは1つのターニングポイントでしたね。
柴田氏:実は、ユニゾンリーグのゲーム企画段階でデザインのテイスト等を決める時に、モンスターやドラゴンといったバトルテイストのスクリーンショットと、日本受けするアバターやアイテム訴求のテイストのパターンにおいて、どちらが良いかと言うグループテストを現地の人向けに行っていたんです。
我々は、前者のバトル訴求の方が現地ウケがいいだろうと思っていたのですが、結果、アバターやアイテム訴求の方が良かったんです。
ですので、ゲーム内においても、日本版とそこまで大きくカルチャライズせずに進めていたんです。とはいえ広告においては、アメリカではバトル訴求の方がきっと良いのでは?と思っていました。なので、先入観のないフラットな状態で広告を試してもらおうと思い、最初は御社にこのグループテストの件をお伝えしていませんでした。
ですが結果的に、広告クリエイティブにおいてもアバター訴求の方が高い効果が出ましたね。
CA増田:アバター訴求が効果が良いという事例は弊社でも初めてでした。基本はバトルシーンで、どの神プレイシーンを切り取るか、ということが肝だったりします。
配信3日目に、塩田から「アバターシーンでした!」と連絡もらい、電話越しにびっくりしつつも喜んだことを覚えています(笑)。
プロモーションの効果
CA塩田:動画広告配信において、CPIの効果だけでは御社に対して最終的な利益を提供できないと考えているので、費用対効果を中長期でみたときにきちんと見合っているか判断し、KPIの再設計をこちらからご提案させてもらうなどといったこともしていかないと我々がいる意味がないので、そのあたりにおいても、もっと御社に提供できるよう意識しているところです。
CA増田:ゲーム業界のお客様のFacebook広告配信においては、8割近くはもう動画広告ですね。配信当初、静止画8割・動画2割で開始していっても、最終的に動画が半分以上という配信構成比を占めるようになってきており、やはりゲーム業界においては動画が主戦場だなと感じます。
いま動画配信でお客様の効果を出せるよう努めています。基本はプレイ動画ですが、このプレイ動画って結構難しいのですよね。どのシーンで切るのが良いのか、また何シーンか繋げて20秒くらいの尺に収めるために倍速で全て編集を入れるなど。まだまだ出来ることはあるので、もっとチャレンジしていきたいです。
Facebook動画広告における、US配信と国内配信の違い
水谷氏:ユニゾンリーグで効果を出して頂いたので、新タイトル「三国大戦スマッシュ!」のプロモーションも御社にお願いし、今年の1月よりFacebook動画広告の国内配信をスタートさせました。
国内配信はなかなかボリュームが出にくいのですが、目標CPIに近づけるよう、動画クリエイティブの本数もすごい頻度で出して下さったりお力添え頂いています。
三国大戦スマッシュはユニゾンリーグと違い、セクシーな女性のキャラクターが多いので、それをFacebook上でどう上手に見せるかという点においてもすごく工夫して下さいました。配信してまだ1ヶ月ほどですが、効果も徐々に出始めていています。
CA塩田:US配信と国内配信では、やはり傾向が異なってきています。国内配信の三国大戦スマッシュは勝ちパターンを模索中で、まさにこれからというところですね。
US配信のユニゾンリーグにおいては、2月から新しい試みを始めました。
ROASの向上を目的にした、ある配信手法ですが、思いのほか新規のインストール増えたんです。アメリカ人の方って日本人に比べると、Facebookでの「いいね」やシェア、コメントをつけることが多いので、その文化の違いに着目した配信手法が当たり、CPIがかなり安く、普通の半分ほどで獲得できるんです。
その実績を受け、国内配信の三国大戦スマッシュでも同様の配信手法を試みたのですが、期待した効果は得られませんでした。日本とアメリカにおける国民性の違いがあるので、海外で成功した手法をそのまま国内で試したら上手くいくかというと、そうではないなというのが最近の気付きですね。
柴田氏:US配信で成功した、動画広告自体をシェアしてもらうという点においては、今後、より動画に注力してよりシェアされる動画を作ることに挑戦はしてみたいですね。
和田氏:そうですね。僕は、担当するゲームのFacebookページの管理者になっているので、ユーザーが広告を「いいね」してくれるとその情報が自分のアカウントに飛んでくるのですが、US配信のタイトルは「いいね」が頻繁にされるのに対し、日本のタイトルは「いいね」がほぼされないんです。その点においても、アメリカと日本の国民性の違いを痛感します。
CA塩田:かなり違いますね。各タイトルのFacebookページに、レアガチャのアイテム情報を定期的に掲載していますが、アメリカだと平均で30コメントくらいはつきますが、日本ではほぼないですね。
その辺りをみても、US配信と国内配信におけるヒントは隠されていると思うので、もっと深堀っていきたいです。
柴田氏:やはり、日本はTwitter文化で、アメリカはFacebook文化、というのを感じますね。
今後の展望
柴田氏:今後は、US配信以外に、ヨーロッパ配信にチャレンジします。ヨーロッパの主要言語である、イタリア、ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガル語を、ゲーム内で対応させ、広告も同様の言語で対応したプロモーションを3月からスタートします。各言語でしっかりとカルチャライズした動画広告を配信し、最適化を図っているところはまだ少ないと思うので、ヨーロッパ配信のFacebook動画広告においても実績を出していきたいですね。
和田氏:US配信である程度の成功体験ができたので、それを踏まえて、ヨーロッパ配信にチャレンジし、また、そのヨーロッパにおける5カ国語の対応が実現すれば、ヨーロッパ圏内に留まらず、アメリカでスペイン語を使うような南米などにも言語対応していけると思います。盛り上がりをみせる市場に向けて、どんどん展開していきたいです。
柴田氏:あと、まだ先の話になりますが、テレビCMの予算をWeb動画広告の方に予算を充て、Web動画広告のクリエイティブにもしっかりと予算をかけていきたいです。CGや実写とかでも良いですし、そういったクリエイティブにおいても、いち早くチャレンジをして効果を出していきたいです。
CA塩田:新タイトルは、3Dを駆使したゲームなので、動画広告においても3D動画に挑戦したり、より幅が広がりそうですね。リソースは整っているので、タイトルとチャレンジする国を決めてしまえば、話題になると思っています。
柴田氏:動画広告の面白い最新事例を、一緒につくれたらとても良いですね。
御社は事業領域も広く、常に新しいことにチャレンジしていて、我々も参考にさせてもらっている企業です。広告プロモーションにおいても、新しい取り組みをいち早く提案してくださり、社内体制も整えた上で動いていただけるので、今後も是非お手伝いをお願いしたいです。
CA福本:今後控えているタイトルももちろんそうですが、今お手伝いさせてもらっている動画広告以外にも、もっと新しいチャレンジが一緒にできるよう、我々ももう一歩踏み込んだ深い提案ができるよう努めていきます。
柴田 健介 氏
株式会社エイチーム エンターテインメント事業本部 マーケティンググループ マネージャー
2009年4月、エイチームへ新卒入社 。
プロモーションチーム(現マーケティンググループ)配属を経て、2012年3月に新規事業を立ち上げプロジェクトリーダーに就任。
2013年11月、メディアサービス部設立に伴い部長に就任。
2014年4月、マーケティンググループ設立に伴いグループマネージャーに就任。現在に至る。
和田 隆照 氏
株式会社エイチーム エンターテインメント事業本部 マーケティンググループ プロモーションチーム
2010年10月、エイチームへ中途入社 。マーケティング部マーケティンググループに配属。
モバイルコンテンツおよびゲームの広告出稿に携わり、スマートフォンアプリへの事業シフト以降、アプリプロモーションに従事。現在に至る。
担当タイトル:『ダークサマナー』『ユニゾンリーグ』『三国大戦スマッシュ!』等
水谷 彩 氏
株式会社エイチーム エンターテインメント事業本部 マーケティンググループ プロモーションチーム
2015年4月、エイチームへ中途入社。マーケティンググループに配属。
『三国大戦スマッシュ!』のプロモーションをメインに担当。現在に至る。
福本 武志
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 シニアアカウントプランナー
増田 光恵
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 インフィードコンサルティング局 局長
塩田 侑範
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 インフィードコンサルティング局 チーフコンサルタント
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取材・執筆: 加藤 貴子 (株式会社サイバーエージェント 全社広報室 インターネット広告事業本部 広報)
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