モバイルバッテリーをはじめ、オーディオ機器やロボット掃除機、家庭用プロジェクターまで幅広い製品を展開する総合ハードウェアメーカーのAnker Japan株式会社。同社は2025年6月に日本でローンチしたTikTok Shopにいち早く出店し、ディスカバリーEコマースに関連する総合コンサルティングを行う当社100%子会社のサイバーティカルの支援のもと、ブランド特化型キャンペーン「TikTok Shopザ・ブランドデー」に挑戦。3日間連続で全カテゴリ(※)のデイリーランキング1位という成果を実現しました。
※TikTok Shopにおける主要カテゴリ(ファッション、ビューティ、日用品、家電、ホーム&リビング等)を横断したデイリーランキング。
その取り組みについて、Anker Japan株式会社の瀬長氏、TikTok Shopのトミー氏をお招きし、サイバーティカルの伊藤、不破とともに対談を行いました。
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瀬長 将
Anker Japan株式会社 マーケティング本部
ブランド・コミュニケーション 部長
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Tommy Shu(束 愚)
TikTok Shop
Global E-commerce Japan Manager of Multi-Category
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伊藤 翼
株式会社サイバーティカル 代表取締役
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不破 啓輔
株式会社サイバーティカル 事業責任者
「体験から売上をつくる」TikTok Shopと、公式チャネル拡大を目指すAnker Japan
瀬長氏:私はAnker Japanのマーケティング本部にて、自社の公式オンラインストアやソーシャルメディア、インフルエンサーを活用したプロモーション、SEOなど顧客接点を持つチャネル全体を統括しています。
当社は家電やガジェット領域を扱っています。もともとはモバイルバッテリーを中心に事業を展開していましたが、近年はイヤホン・ヘッドホン・スピーカーといったオーディオ機器に加え、ロボット掃除機や家庭用プロジェクターにも進出し、カテゴリが大きく広がっています。
トミー氏:私はTikTok Shopのインダストリーチームで、電子製品と家電用品の2カテゴリを担当しています。TikTokはもともと動画コンテンツを楽しむプラットフォームですが、そこにEC機能を組み込んだのがTikTok Shopです。
一般的なECではユーザーが自ら検索して商品を探しに行く必要がありますが、TikTok Shopでは動画やライブ配信を見ている中で自然に商品と出会い、そのままアプリ内で購入まで完結できるのが特長です。広告ではなく「体験から購入していただく」が私たちの考え方です。
TikTok Shopはすでにアメリカやヨーロッパなど24カ国で展開し、グローバルで実績を積んでいます。日本では2025年6月30日に正式ローンチし、ローンチから5カ月で約6倍の成長を遂げており、市場として非常に大きなポテンシャルを持っていると考えています。
伊藤:私はサイバーティカルの代表で、TikTok Shop支援事業の責任者を務めています。今回のAnker Japan様とのお取り組みに際し、全体統括として関わらせていただきました。
出店はしたものの、グロースの道筋が見えない──「やりきる」ためのパートナー選び
瀬長氏:TikTok Shopへの出店は、TikTok Shopの日本ローンチと同時のタイミングで開始していました。ミニマムスタートしていたのですが、そこからどうグロースさせていくのか、道筋がなかなか見いだせない状況でした。
というのも、検証に足る施策の量・ボリュームを一度やりきらないと、TikTok Shopにどれだけのポテンシャルがあるのかが見えてきません。しかし社内のリソースは限られており、「この後どうしていくのか」の糸口がつかめなかったというのが当時の課題です。
一方で、グローバル、特に東南アジアを中心にTikTok Shopが盛り上がっていることは以前から認識しており、いずれ日本にもこの流れが来るだろうと見ていました。当社の製品はTikTok上でのUGCが多く、TikTok Shopとの相性は良いはずだと想定していました。
不破:私はサイバーティカルで事業責任者を務めており、本取り組みではAnker Japan様へのご提案から具体的な進行、プロジェクト管理までを担当しました。
はじめに私どもからAnker Japan様に「TikTok Shopパートナー」というモデルをご提案をさせていただきました。このモデルはTikTok Shop全体の戦略立案から運営サポート、クリエイタープロモーション、コンテンツ制作までを一気通貫でご支援するものです。
Anker Japan様はすでにECショップ上で確固たる実績をお持ちでしたので、一定の売上は見込める一方、「Ankerブランド」を保ったまま、クリエイターの皆さんにどうプロモーションしていただくかが肝になると考えていました。そのための戦略設計、クリエイターの選定、そしてコンテンツのクオリティ管理が最も重要なポイントでした。
また、ご提案当時はTikTok Shopがまだ立ち上がったばかりでしたので、Anker Japan様が本格参入することで市場自体も盛り上がることが想定できました。私たちとしても先進的な事例を一緒に作りたいという想いで、ご提案させていただきました。
瀬長氏:ありがたいご提案でした。また、TikTok Shopさんからも大型キャンペーンの「TikTok Shop ザ・ブランドデー」のご提案もいただいておりました。
当社もクリエイターの方々とのお取り組みは数年前から続けてきたものの、TikTok Shopに強いクリエイターの方々とのつながりや、そもそもライブコマースの経験はありませんでした。
TikTok Shopを活用していくためのノウハウとクリエイターとの接点、この2つは自社だけでは賄えなかったので、サイバーティカルさんの知見とコネクションを活かしていただきたいと考え、ご一緒させていただくことを決めました。
クリエイター110名・動画150本以上・ライブ配信270時間超え。3日連続で全カテゴリランキング1位に
トミー氏:今回Anker Japan様と取り組んだ「TikTok Shop IPキャンペーン」は、一つのブランドに対してTikTok Shop側がアプリ内の専用トラフィックや露出枠、運営サポートを集中的に提供する、ブランド特化型のマーケティングソリューションです。
IPキャンペーンには3つの形式があります。1つ目が、今回Anker Japan様にご参加いただいた「ザ・ブランドデー」で、TikTok Shopとの深い連携を通じて最大級のインパクト創出を目指す最も充実したプログラムです。2つ目は、新規参入ブランド向けの立ち上げプログラム「デビューデー」、3つ目は複数ブランドの同時展開で集客の相乗効果を狙う「ブランドフェスタ」です。
今回のザ・ブランドデーでは、TikTok Shopが提供する最も充実したリソースと専門サポートを通じて、Anker Japan様の売上拡大とブランド認知向上の両面で成果をともに実現することができたと考えています。
瀬長氏:ザ・ブランドデーを行うにあたっての目標は、「このプラットフォームでできることを全部やりきる」ことでした。やりきることで、次回以降の売上ポテンシャルや、それに必要な組織体制を組むための検証材料が得られると考えていたからです。
伊藤:そうでしたね。私たちとしてもAnker Japan様の「全部やりきる」を実現するため、4つのご支援を行いました。
1つ目はAnker Japan様公式アカウントに掲載する動画の制作、2つ目はクリエイターのキャスティングとディレクション、3つ目はライブコマーサーのキャスティング、4つ目は広告配信です。
中でも最も力を入れたのが、クリエイターのキャスティングとディレクションです。TikTok Shop内でライブ配信を行うにあたって、ただ多くのクリエイターに声をかけ、商品を渡して紹介してもらうだけでは売上をつくることは難しいです。
そのため、実際に下記2点を工夫して取り組みました。
1点目は実績のあるクリエイターのキャスティングです。TikTok Shopでガジェット系の製品を販売した実績のあるクリエイターを見極めた上で声をかけ、「どんな動画を作ってほしいか」の型をこちらで設計してからオファーをさせていただきました。
2点目は、投稿内容・日時の擦り合わせです。3日間のザ・ブランドデーの期間に合わせ、少し前のタイミングから告知投稿をしてもらうことで、ライブコマースを期間中に集中させるようディレクションしました。
結果として、3日間のザ・ブランドデーに110名のクリエイターが参加。告知動画を含め150本のショート動画を制作・投稿し、ライブ配信は配信時間を合計すると約270時間にのぼりました。売上もザ・ブランドデーにおいてガジェット部門のデイリーランキングで3日間連続1位を獲得し続け、とても大きな売上成果をあげることができました。
トミー氏:今回のザ・ブランドデーにおいては最終日には在庫がなくなってしまう製品があったほどで、ショップとしても商品としても、TikTok Shopで大きな存在感を示せたと思います。
不破:これだけのキャスティングを短期間でやりきれた背景には、当社のクリエイターコミュニティ「Nexi」の存在があります。本コミュニティにはTikTok Shopでの販売実績を持つクリエイターが多く所属しており、今回の取り組みを告知したところ多くの方の手が挙がりました。
クリエイターの方とは日々細かく丁寧にコミュニケーションをとらせていただいており、こだわって築いてきたクリエイターとの関係値があるからこそ、声をかければすぐに返答があり、短期間でもキャスティングをやりきれたと考えています。ここは当社の強みが活きた部分です。加えて、トミーさんをはじめTikTok Shopの皆さんに実績あるコマーサーの方々をマッチングいただいたことも大きく、この2つが揃ったからこそ実現できたと思っています。
伊藤:運用の中でポジティブな発見もありました。TikTok Shopでの購入経路は、ショート動画経由、ライブ配信経由、検索経由、公式アカウントの商品欄(ショーケース)経由と大きく4パターンあります。
運用開始当初はショート動画とライブ配信がほぼ9割5分を占めると想定していたのですが、実際にはショーケースなど動画・ライブ以外の経由が約3割ありました。
動画を見てすぐ買う人だけでなく、他のプラットフォームと比較・検討した上で戻ってきて購入する人も確実に存在するという気づきは、大きな発見でした。
瀬長氏:TikTok Shopで本格的にプロモーションを行うのは初めてでしたが、想定していた以上に、すでにAnker製品を使ってくださっているクリエイター様が多かったことが印象的でした。熱量の高い方々にショート動画とライブの両方でプロモーションいただけたことは非常に良かったです。
不破:ありがとうございます。一方で最も苦労したのは、クリエイターとの連携スピードの担保です。ザ・ブランドデーは3日間と期間が限られている中で、期間中の投稿はもちろん、事前の告知動画も計画通りに上げてもらう必要があり、かなりタイトなスケジュールでの進行でした。
TikTok Shop様からは手厚いご支援をいただき、Anker Japan様にも多くのリソースを割いていただいた一大プロジェクトです。ここで必ず成果を出したいと感じ、クリエイターと連携し続けたのが、一番大変だった部分です。ですが、その結果本当に大きな成果を三社で残せたことを大変嬉しく思います。
トミー氏:まさにそのクリエイターとの連携スピードが、最も印象に残っています。限られた期間の中で多数のクリエイターとの交渉・調整を進め、動画制作からライブ配信まで計画通りに実行いただきました。結果としてクリエイター経由の販売が全体の中でも大きな割合を占めており、成果は非常に大きかったと感じています。
プロジェクトを通じて責任を持って動いてくださり、想定している結果をしっかり届けていただいた。課題が出ても迅速に対応いただき、安心してプランの実行を進めることができた、信頼できるパートナーだと感じています。
瀬長氏:期間が限られている中で、多くのクリエイター様とのコミュニケーションに加え、私たちとの連携や認識のすり合わせも非常に多かったはずです。その中で高い熱量を持ち、ディテールまでこだわり抜いていただいたことには本当に感謝しています。最後の最後までクリエイター様にお声がけを続けていただき、妥協なく突き詰める姿勢は、「お任せしてよかった」と心から思えるポイントでした。
クリエイター様に負けない熱量で、サイバーティカルさん、TikTok Shopさん、私たちの三者がこのプロジェクトに取り組めた。今後のポテンシャルを強く感じる結果になりました。
三方良しの関係で市場を盛り上げる。「Ankerファミリー」の輪を広げ、事業全体への寄与を可視化へ
瀬長氏:今後ご一緒していく上で大事にしたいのは、私たち、サイバーティカルさん、そしてクリエイター様の三方でWin-Winの関係と、一緒に市場を盛り上げていく空気感を作り続けることです。TikTok Shopはまだまだ伸び盛りの市場ですから、クリエイターの皆さんも含めて市場全体を盛り上げていく取り組みをご一緒できたら嬉しいです。
また、ザ・ブランドデーで一定のボリュームをやりきったことで、オペレーション上の課題も見え、ノウハウも溜まってきました。このノウハウをどう全体に活かし、オペレーションを改善しながら、運用を進められる環境を作るか。そこも一緒に取り組んでいきたいですね。
トミー氏:今回のザ・ブランドデーを通じて、連携の土台ができたと感じています。今後もサイバーティカルさんと協力しながら、Anker Japan様のさらなる成長をしっかりサポートしていきたいと考えています。
Anker Japan様には、今回の勢いを毎月維持しながら、ライブ配信でのクリエイターとのコラボレーションを継続的に積み重ねていただき、TikTok Shopの電子製品カテゴリでトップブランドとして安定したプレゼンスを築いていただくことが、私たちの共通のゴールだと思っています。
不破:今回のお取り組みは「先進的な事例をつくり、市場を盛り上げ、売上をつくる」というものでしたので、定常的な売上にはもちろんコミットしていきたいと考えています。その上で、TikTok ShopはAnker Japan様の事業全体から見ると、新規ユーザーを獲得できる新しい入り口だと捉えています。
今後は、事業全体を俯瞰したときにTikTok Shopでどれだけ新規ユーザーを獲得できたのか、他メディアへの検索数の跳ね返りといった間接効果の可視化まで踏み込んでいきたいです。それができれば市場にとっても良い事例になりますし、Anker Japan様にとっても事業への寄与がより明確になると考えています。
伊藤:瀬長さんのおっしゃる三方Win-Winの関係という観点で、クリエイターに着目してお話しすると、実はザ・ブランドデー終了後も、クリエイターの皆さんから「Ankerさんの企画、次はいつやるんですか?」というお問い合わせが非常に多いんです。サンプルとして実際に商品を手に取ったことで、Anker製品の良さに改めて気づき、ファンになったクリエイターがとても多い印象です。
今後も引き続き、Anker製品のファンクリエイターと共に TikTok Shopにて好事例を作って行きたいと思っております。
また、今回の成功はAnker Japan様だけの成功ではなく、日本におけるTikTok Shop活用の一つのモデルケースになったと感じています。今後もブランド・クリエイター・プラットフォームをつなぐパートナーとして、再現性のある成功事例を積み重ね、日本のTikTok Shop市場全体を盛り上げていきたいです。
記事制作・撮影: 株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 広報