2019/3/18 Mon
「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL」にて、AbemaTVを活用したイベント連動オリジナル番組を生放送!
新規ユーザーへアプローチし、モータースポーツ好意度60%リフトアップを実現!
トヨタ自動車主催のファン感謝祭「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL」において、AbemaTVを活用したイベント連動オリジナル番組を企画制作。トヨタ自動車より、西塚氏、岩田氏を迎え、当社社員と共に本プロモーションについて、対談インタビューを行いました。
西塚 淳
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company GRマーケティング部 マーケティング室
1グループ長
岩田 三友紀
トヨタ自動車株式会社
GAZOO Racing Company GRマーケティング部 マーケティング室
齋藤 建太
株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 AbemaTV局
エグゼクティブプランナー
西塚氏:トヨタ自動車 GRマーケティング部にて、グループ長を務めています西塚です。私のグループは、主に国内のイベントやモータースポーツのプロモーションを推進していくグループになります。具体的には、トヨタが参戦しているモータースポーツをどのようにPRしていくか?またトヨタのクルマをどうPRしていくか?更には、トヨタファンやクルマ好きの人口をいかに増やしていくか?というマーケティングを行うことがわれわれの仕事です。GRマーケティング部は現在80名くらいの組織です。
岩田氏:私も西塚と同じグループにて、新規クルマファン作りの活動をメインに業務を行っています。そして、今回のプロモーションの企画推進を担当していました。
CA齋藤:私は現在、サイバーエージェント インターネット広告事業本部のAbemaTV局にて、AbemaTVを活用した動画広告を中心としたプロモーション戦略を広告主企業の方々にご提案させていただいています。
当時の課題感とプロモーション実施に至った背景
西塚氏:トヨタ自動車として、「車を作って販売する」という大きな業務があるので、世の中の人々にトヨタという会社が好きだ、トヨタの車が好きだ、とファンになってもらいたいわけです。ただ一方で、車にそもそも興味がない、モータースポーツを観たことがないという方が非常に多くなってきていて、特にそれが若者と呼ばれる10~20代の方に顕著になってきています。そのため、まずそこから何とかしたい、若年層のファンを作っていきたいという課題感がありました。そして、どのようなプロモーション施策があるか検討していました。
CA齋藤:AbemaTVを活用したプロモーションを提案させていただくにあたり、まず今まで御社が過去に実施されていたプロモーション施策を分析しました。昨年度で言うと、テレビCMをかなり配信されていたのですが、課題となる若年層へのリーチには到達していないのではないか、という”面”としての課題を提案させていただきました。視聴リーチ層の調査を行ったところ、M2層以上、M3への接触が非常に高い結果が顕著に現れていました。
また、クリエイティブについては、短い15秒という尺の中で表現するには難しいところがあると感じていたので、若年層を獲得しに行くのであれば、「若年層にうけるクリエイティブは別にあるのではないか。」と、合わせて提案させていただきました。
西塚氏:仰った通り、今まではテレビCMを中心に出稿していましたが、「若年層にうけるクリエイティブ素材を流した方がいいのでは?」という問題意識が社内でも上がっていたので、提案の内容はスッと入ってきました。
CA齋藤:AbemaTVでは、1分などの長尺であっても、番組のようなコンテンツのCMにすることで視聴者に最後まできちんと見てもらえることが強みです。そこで、御社の良いところと若年層が見たいコンテンツの折り合った情報を元にオリジナルのWeb向け動画素材を作りましょう、とお話させてもらいました。
西塚氏:AbemaTVのCMを最後まで見る率、視聴完了率が、平均80%超えというのには衝撃でしたね。
CA齋藤:そうですね。1分の長尺で視聴完了率80%を超えるメディアは、他には聞いたことないですね。視聴者に“見てもらえるコンテンツ”としての“強み”と“素材”がしっかりとハマれば、視聴者の好意度の態度変容を動かせることも分かっています。
新企画「ゆるキャラレーシング」をAbemaTVのオリジナル番組にて配信
西塚氏:1年に1回、「
TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL」というファン感謝祭を富士スピードウェイで行っていまして、毎年4万人を超えるお客様に来場いただいています。
今回はその感謝祭の中の1つのイベントコンテンツとして、「ゆるキャラレーシング」という企画を一緒に作って下さいました。
その「ゆるキャラレーシング」の模様を、AbemaTVのオリジナル番組として配信いただき、同時にTwitterのライブ配信も展開してます。
ゆるキャラのカート対決がメインではあるのですが、それ以外にも“Webでうける番組”という目的達成のために、いろいろなアイデアを頂きました。ゆるキャラ同士の様々な対決企画や、合間には「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL」のイベントそのものを紹介するコーナーなどもありました。
CA齋藤:今回のコンテンツ自体がCMとしても映える素材でしたので、番組の宣伝CMも制作させて頂きました。
加えて、今回の重要指標の1つに、「いかに話題になるか?」というニュース性も重視されていたので、このコンテンツをフックに、Webサイトやニュース記事にいかに取り上げられるか?というプロモート活動もしっかり行いました。結果として本コンテンツをフックに約200記事の関連ニュースに取り上げてもらうことができました。
今回、動画コンテンツ番組の企画・制作から、AbemaTVを始めとしたメディアへのサイマル配信と、コンテンツをフックにした話題性のPR活動をお手伝いさせて頂いています。
本プロモーションの効果
西塚氏:まず、番組視聴数そのものについては、当初の目標数を達成しています。何より嬉しかったことは、番組を観た視聴者の態度変容が非常に良かったことです。
特に、番組視聴者の「モータースポーツが好きになった」といった興味関心度・好意度については約60%向上しました。また、「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL はいいイベントだよね」と感じて頂けていることがとても嬉しく、このような態度変容がみられたことは本当に大成功だと思っています。
岩田氏:実施前は、「ゆるキャラレースをなぜやるのか?」と社内から言われることもありましたが、やってみたら、みなさんの反応が本当に良くて。特に、ゆるキャラ同士とレーサーとの対決は好評で、「モータースポーツの興味向上」の態度変容がとても良かったです。
私自身とても車が好きなのですが、「どうすればもっとファンを増やすことができるのか?」とずっと考えていたのですが、そんなときに、本企画を提案して頂きとても感謝しています。
西塚氏:AbemaTVでの「ゆるキャラレーシング」の事前告知や、ニュース性によって、TOYOTA GAZOO Racing FESTIVALの集客アップという大きな目標に加えて、イベントには行けなくても番組を見てくれた方が、「楽しそうなイベントなので、来年は行きたいな」という意向度・好意度をどれだけリフトアップできるか?という点が非常に重要なポイントだと思っています。
それらを追う指標として、番組視聴数やCM配信における視聴単価、ニュースでいかに拡散されたか?態度変容はどのくらい向上したのか?という数値を見ていました。中でも態度変容に関しては、イベントの認知度、興味関心、次回参加意向について、今回のAbemaTV番組視聴を通じて、平均70%の大きなリフトアップを確認することができました。
実際にプロモーションを実施されてみて新たな発見はありましたか?
西塚氏:モータースポーツやスポーツカーのファンを増やすために、今まではクールでかっこいいイメージを中心に打ち出したプロモーションが多かったのですが、今回初めてゆるキャラと車を掛け合わせたカジュアルなバラエティコンテンツを実施したのですが、このような企画のほうが視聴者の反応が良かったとうのは驚きというか、新しい発見でした。
岩田氏:はい、好評でしたね。当日は生中継だったので、私はイベント会場の中継先にいたのですが、イベント参加者から「これって何の番組ですか?」「どこで流れているの?」などのお声掛けを多くいただいていて、既存のファンの方にもしっかりみていただけたのかなと思います。
チャレンジのポイント
今までテレビCMを中心に配信を行っていたところから、今回WebであるAbemaTVへの動画配信というのはチャレンジングなご決断だったと思いますが、何が決定打になったのでしょう?
岩田氏:社内ではもちろん様々な声がありました。今まで、テレビCMを中心に、かっこいいイメージで打ち出してきていたので、「なぜAbemaTVなのか?」「なぜゆるキャラなのか?」ということは、特に言われました。
しかし一方で、AbemaTVさんの提案内容が、理路整然とデータに基づいた情報があり、「新しいメディアにチャレンジする」という可能性をみてみるにしても手探り状態ではなく、勝算を持って臨むイメージがきちんと事前に持つことができていました。
CA齋藤:トヨタさんは全国に販売店をお持ちなので、地方や各エリアの販売店さんとの絡みも強固にできたらいいな、という課題をいただいていたので、その解決策として、地方との結びつきが強いキャラクター、ご当地のゆるキャラを使った企画にしよう、と生まれたアイデアでした。
そもそも、ゆるキャラをゴーカートに乗せてレースするということは、歴史上ないので、このアイデアをトヨタさんに承認いただいたこと自体がかなりチャレンジングな決裁だったと思います。
西塚氏:企業として悩ましいのが、われわれとしては当然トヨタの宣伝をしたいし、トヨタの車を好きになってほしい、という思いがあります。
しかし、AbemaTVさんと組む以上は、やはりそこでたくさんの方に視聴されなくては意味がないですし、そのために番組内容として、バラエティー感の強弱や、ゆるキャラの使い方のようなところは、餅は餅屋にお任せするしかないかなと、AbemaTVさんにお任せし、信頼関係の中で作っていった企画だと思います。
先ほども申しあげたとおり、TOYOTA GAZOO Racingとしては、今まではクールでかっこいいイメージのマーケティングが中心でした。それがゆるキャラやバラエティー色となるとイメージが違うのではないか?という話にもなるのですが、そこは割り切って、「AbemaTVで視聴者に一番面白く見てもらうにはどのようなアイデアがあるだろうか?」ということを考えてもらい、そしてTOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL と上手く融合していただいたと思います。
CA齋藤:地上波は引き続きブランドのCMを展開されていますが、しっかりと地上波とWeb動画を切り分けて考えていただき、“Web文脈のクリエイティブ”での決裁をとられているのも新しい試みだと思っています。
クリエイティブジャンプが効いたプロモーション成功のポイント
西塚氏:成功の定義を「デジタルプロモーションを通しての反響」に置くのであれば、しっかりとその成果を感じていますし、その成功の要因は、やはり「ゆるキャラレーシング」というコンテンツ企画を提案いただき、満足のいくクリエイティブに仕上げてくれたことに尽きると思います。
岩田氏:そこのクリエイティブジャンプは相当あったと思います。
CA齋藤:AbemaTVの求められる期待値で言うと、地上波では見ることができないクリエイティブの部分です。地上波で見ることができないクリエイティブの提案を広告主企業のみなさまに行うのですが、企業によっては、「その決裁は怖くてできない」という回答ももちろんあります。
今回で言うと、絶妙なキャラクターのキャスティングの進行において決裁を頂き、まさにギリギリのラインのクリエイティブというところが成功のポイントだったと思っています。戦術的なWebメディアへの同時配信、サイマル放送の工夫のポイントなどももちろんありますが、今回は「ゆるキャラレーシング」というコピーはまさに絶妙だったと感じています。
今後の展望
西塚氏:結果の態度変容の数値的にも大成功だったと思っているので、次の施策にもしっかりと繋がればと思います。一方で、「ゆるキャラグランプリ第2回を見たい」という声も結構頂いているので、また良いかたちで実現出来たらいいですよね。
CA齋藤:「第2回を希望する視聴者が94%」という数値でしたね。
「嫌味が全くないコンテンツ」というのも、成功の要因の1つとしてあると思います。長尺の生放送番組で嫌味がないというのはなかなか難しいものですが、最後まで軸をぶらさずに遂行して頂けました。
AbemaTVとしては今後、AbemaTV内で視聴してもらえるコンテンツであることも重要なのですが、Webでうけるコンテンツの先駆者でありたいと思っています。Twitterのライブ配信やYouTubeなど、メディアをAbemaTVの面だけに拘るのではなく、様々な外部のメディアにまで配信できるような存在でありたいです。
キャスティング、企画、メディアの設計ができるのはAbemaTVの強みなので、この強みを生かして引き続きご提案したいと思っています。
西塚氏:今回は、TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL というイベントをいかに知ってもらうか、来たいと思ってもらえるか、という目的のもと行った施策でしたが、今後、新車発売のプロモーション時には、AbemaTVのコンテンツと上手く結びつけられるようなことを実現できたら嬉しいですし、良いアイデアがあればぜひまた一緒にやっていきたいですね。
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取材・執筆: 加藤 貴子 (株式会社サイバーエージェント 全社広報室 インターネット広告事業本部 広報)
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