2018/3/15 Thu

アルペン、Google Store Visit を活用したジオマーケティングで、店舗来店計測の可視化に成功

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西村 将一 氏

株式会社アルペン
スポーツデポ・アルペンマーケティング部

蟻川 悠貴 氏

株式会社アルペン
スポーツデポ・アルペンマーケティング部

 水谷 謙太

株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 西日本営業局
マネージャー

高田 裕也

株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 西日本営業局
アカウントプランナー

- ジオマーケティングおよびGoogle の来店計測(Store Visit)活用の背景

アルペン西村氏:前提として、われわれの販促活動において比重が非常に高かったのがチラシです。前週比の売上や客数の違いは分かるものの、チラシによってどれくらいのお客さんが来店したか?という来店効果の可視化はできずにいたので、それを可能にするプロモーションは常に模索していました。
そんな中サイバーエージェントさんから、来店効果を可視化できるプロモーションのご提案をいただいたことが、今回のきっかけです。
 
CA高田:来店計測を扱えるプロダクトや事例も当時はまだ多くなかったのですが、デジタルでの広告効果をどう見ていくのか、という点については西村さんとお打合せを重ねておりました。昨年グーグルのアップデートもあり、一定の条件を満たせば来店コンバージョンを数値で出せるという状況になったので、「Google Store Visit」のプロジェクトチームを立ち上げ、その条件をクリアするために、西村さんと連携して導入を進めていきました。
 
アルペン蟻川氏:「Google Store Visit」の導入以前から、ジオ系の媒体で来店コンバージョンを測るために数多くのトライもしてきました。
以前は、KPIがどうしても『クリック数』や『インプレッション数』の指標しかなかったものが、『来店』というコンバージョンとれるようになったことでPDCAを回せるようになったということは、この1年での非常に大きい進化です。
今後は、まだ補完できていないユーザーやメディアも含めてメディアミックスしていきたいと考えています。

-「Google Store Visit」のプロモーション概要

アルペン蟻川氏:プロモーションは、現在も継続中です。
2017年4月に検索連動型広告で来店計測が可能になりました。そして6月にディスプレイ広告、年末11月にYouTubeで動画広告も来店計測が可能に。いわゆる、フルコンプという状態になったのが年末までです。
現在も、検索連動型広告とディスプレイ広告を中心に来店計測を実施しています。
 
アルペン西村氏:年末に始まったYouTubeにおいては、検索連動型広告とディスプレイ広告と比べて、われわれのリーチしたいユーザー層に対して使い分けられていると思っています。
 
弊社のマスプロモーションでは、チラシを軸に、年に何回かテレビCMを出稿しています。動画の媒体選定を考えた時、たとえば、このターゲット層に・この地域に、という目的の際には、ターゲット層に刺さりそれが来店につながるのがYouTubeなのであれば、テレビCMの置き換えも含めてネット動画広告に寄せていく、という判断もあります。したがって動画という視点では、テレビCMとYouTubeで、最適な配信・最適なリーチの仕方を模索していきたいと考えているところです。
アルペン蟻川氏:昨年2017年11月に、スポーツデポ業態では20周年を迎え、誕生祭として周年セールを実施した際に、先述のとおり、テレビCMと動画広告を連動させて広告出稿を行いました。結果は、スポーツデポ業態の認知率が非常に上がり、また、セールの売上効果も好調に推移しました。
やはり、デジタルだけ・テレビCMだけ、と切り分けるのではなく、メディアを組み合わせて広告出稿していくことも課題だと思っています。
来店コンバージョンはデジタルの指標ですが、テレビCMやチラシに接触したうえでデジタルに流入しているユーザーも当然ながら多いと思うので、デジタルとマスのクロスメディアの連動という視点も持ち、今後も挑戦していく必要があると思います。
 
CA水谷:実施いただいた『検索連動型広告』と『ディスプレイ広告』と『YouTube』。そもそもリーチできるユーザーは異なってきますし、また目標の来店単価においても、実際の事例を踏まえても、数値も傾向も異なることが分かっています。ですので、今後もしっかりと効果の良いメニューに配信予算を投下いただけるよう、ご提案させていただきたいと思っています。

- 来店効果を『検証できる』今後のクリエイティブ活用とは

アルペン西村氏:クリエイティブに関しては、今後は同じ配信でもさらにバリエーションを増やさないといけないと思っています。それは動画に関しても同様で、テレビCMの素材をそのままWebに流用することが一番楽ですが、そうではなくて、YouTubeを視聴するユーザーには最適なクリエイティブがあるはずなので、Web動画広告用にしっかりと作り変えていきたいと思っています。
 
アルペン蟻川氏:クリエイティブの検証は、今後の重要課題です。
広告配信のPDCAは、サイバーエージェントさんから積極的にご提案をいただいたおかげで、この半年で様々な切り口で試験的な販促活動をすることができました。配信まわりについて、こんなにやっている企業はなかなかない!というくらいやっていると思います。
配信していく中で、来店に繋がったもの、逆にあまり繋がらなかったものもわかってきているので、上半期に効果の良かったものを、これからの下半期はさらに精度を上げていくフェーズになります。
次の段階としてクリエイティブの検証も同様に進めていきたいです。
 
CA高田:仰るとおり、来店コンバージョンを導入いただくメリットは、来店効果を『検証できる』という点にあります。検証する価値がありそうなものは全てリストアップして、来店率に貢献できそうなものからチャレンジしていきました。
例えば、店舗から近いユーザーに配信したほうが来店率が高い傾向があったり、曜日や営業時間での変数も検証し、また検索連動型広告では、どんなキーワードが来店に繋がっているのかなどの傾向も探りました。
 
アルペン蟻川氏:セール訴求の場合、店舗商圏という考え方があるので、「商圏内のお客様に対して、いかにセール内容を伝えていくか?」という意味では、高田さんが仰ったように、商圏に住んでいる方に配信したほうが来店率は高まりました。それまでは、『県』という単位での配信を実施していたので、効果は上がりましたね。

CA水谷:ほかにも、競合店に来店しているユーザーや、距離はありますが例えば、ゴルフ場に来た人にターゲットを絞って、そこに広告を出せば来店に繋がるのではないか?とか。
どのようなユーザーに対してどう広告を出していくか、ということを当初から地道にやっていて、それが着実に実を結んできている状況です。
 
アルペン蟻川氏:オンラインの行動履歴ではなく、リアルの行動履歴で弊社のお客様になっていただけるような方に広告配信ができるということが、ジオターゲティングの特徴だと思います。ただ、具体的にどういうユーザーで、どういう場所でどういう行動をしている方に広告を配信すると来店効果が高まるのかというのは、模索しているところです。

- プロモーションの効果

アルペン蟻川氏:KPIの「来店率」、「来店単価」、「ROI」の効果で見た時に、費用対効果としてかなり高い効果が出ています。
今期はチラシの経費を削減して、相対的にデジタル広告にかける費用を増やしていますが、より効果の高い媒体に予算をアロケーションして、売上効果を上げていくということは、「来店」をKPIに置いてプロモーションをしてきた成果だと思いますし、非常に価値のあることだと考えています。
 
CA水谷:経費を適正化して売上も上がっていくのって、理想形ですよね。(笑)
 
アルペン蟻川氏:媒体の効率化という意味でも、望ましい形態だと思います。

- ジオマーケティング成功の要因

CA高田:事例がほとんどない状況での実施でしたが、成功した要因としては、徹底したオペレーション体制にあったと思います。レポーティングや、来店CVRが向上する設計をどうするのか、当社にはジオ専門のグループもあるので、いち早く体制を整えることができたのも強みだったと思います。
 
アルペン蟻川氏:レポーティングにおいても、非常に丁寧にやっていただけています。
 
CA高田:アップデート頻度の多いプロダクト領域なので、常にグーグルと連携して新しい情報をいかに導入するか、と細かい部分も確認しながら、情報収集からご提案まで進めていました。
 
CA水谷:前例のない配信設定など多数あったため、「これで本当に合っているのか?」としっかり確認し細心の注意を払いながら1つ1つ進めていました。配信したのはいいものの設定が違っていて・・・ということは絶対にあってはならないので、かなり丁寧に時間を使ってやっていいたことは今でも記憶しています。
 
アルペン西村氏:やったことのない配信なので、先行者メリットはあると思っています。知見もそれに対する効果も、実施していない企業さんと比較した時に、先に享受できるメリットのほうがリスクよりも大きいと思っています。
例えば、配信で想定外のことが起きるであろう、ということもあるかと思いますが、それでも比較したときにメリットのほうがやはり大きく、もちろん、そのリスクをヘッジできるようサイバーエージェントさんがとても細かく進めていってくれていたと思います。
 
CA水谷:成功したポイントは、私個人からすると、「アルペンさんが先陣を切ってチャレンジしてくださった」ということが大きいと思っています。名古屋の企業さんって、石橋を叩いても渡らない、というくらい慎重な会社さんが多いのですが、アルペンさんはリスクよりも先行者メリットを考え、前例のないことに挑戦された、というところに非常にスピリッツを感じます。そして、アルペンさんがそこまで攻めていくのであれば、もちろんわれわれも全面サポートさせていただく、という思いでやらせてもらいました。
 
アルペン西村氏:会社としてこのような決断ができるようになったきっかけは、約2年前。マス媒体からのシフトについて、マーケティング本部長が中心となり推進していったことでマーケティングに特化した専門部署もでき、会社としても変革を推進したタイミングとうまく重なり、プロモーションにおいても先進的なことをやっていきましょう、という風潮ができつつありました。
 
もう一つ、当社は新しいこと、特にWebまわりに関しては、先進的な取り組みを今まで積極的に推進するには、戸惑いも多い環境下にあったかな、とは思っています。
ただ、今後はそういったことも顧みず、リスクも取り、先行者利益を最大に享受できる条件を整えた上で、新しいことに挑戦していく、そして、名古屋の会社が日本で最先端のデジタルマーケティングをやっている、という旗振りをしていきたいと思っています。
デジタルマーケティングに関してはアルペンあり、そういったくらいの気持ちでどんどん新しいマーケティングに挑戦していき、そして最終的には会社の業績にしっかりと繋がるようなパフォーマンスを出せるよう、今後もぜひ一緒にやっていければと考えています。

- 今後の展望

アルペン西村氏:「Google Store Visit」を活用し、来店計測が取れるようになり、そこからさらに一歩踏み込んで、Web広告経由で来店した人が実際の購買に結びついたかを検証するフェーズに入って来るかなと思います。
それによって、『今までWebに投下した広告でどれだけ来店したのか』『どれだけ購買に結びついたか』『実際にWeb広告経由で来店したユーザーがどういうものを購入したか』さらには、店舗のエリアによっても違いが出てくるでしょうし、時期、時間という部分も違いが出てくるかと思います。
このようなことまでを精査することによって、さらに精度の高いマーケティングが実践できるのではないかなと考えています。

さらには「Google Store Visit」を活用することで実店舗への誘導がWeb広告で可視化可能になってきたことで、今後メディアのアロケーション自体もっと最適化できると思っています。
今までは、広告予算の割合をあるロジックに基づき分配することはありましたが、今回の取り組みを通じて、それがより精度の高いアロケーションが可能になるかなと思っています。実際に、売上げまで可視化できれば、「これだけの予算を投下しても、これくらいは売上げに跳ね返ってくる」と、全体の売上げ構成の中から逆算していろいろと考えていけますし。
 
アルペン蟻川氏:そうですね。
 
CA水谷:今回、ストアビジットを先進的に取り組んでいただきましたが、これからもまだまだデータ・AIを用いた配信が可能なので、それをどう活用するかということを、私たちも鮮度のいい情報を入れて、最新かつ精度の高い効果を出していけるよう、そして、最新のプロモーションを行いながら業績もしっかりと上がるよう、私たちもフルでサポートさせていただきたいと思っています。

西村 将一 氏

株式会社アルペン
スポーツデポ・アルペンマーケティング部

 

蟻川 悠貴 氏

株式会社アルペン
スポーツデポ・アルペンマーケティング部

 

水谷 謙太

株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 西日本営業局
マネージャー

 

高田 裕也

株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 西日本営業局
アカウントプランナー

 


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取材・執筆: 加藤 貴子  (株式会社サイバーエージェント 全社広報室 インターネット広告事業本部  広報)


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