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AI活用で全会員の顧客理解を高度化、三井ショッピングパークが実現するデータドリブンマーケティング

~行動データとアンケートデータを活用した「ペルソナタグ」と、行動変容を予測する「ポイント原資最適化」で、一人ひとりに最適なコミュニケーションを実現~三井不動産商業マネジメント株式会社

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全国の三井ショッピングパークららぽーとや三井アウトレットパークなど数々の商業施設の管理運営をする三井不動産商業マネジメント株式会社では、会員基盤の拡大とともに、データを活用した顧客理解の高度化が重要なテーマとなっていた一方、膨大なデータを施策へつなげるためには、現場で活用しやすい形への変換が求められていました。

サイバーエージェントのデータ本部は、AI・機械学習を活用して全会員に興味関心を推定する「ペルソナタグ」を構築。さらに、ポイント施策による行動変容を予測する「ポイント原資最適化」に取り組み、データ分析を実際のマーケティング成果へ結びつけました。
本取り組みについて三井不動産商業マネジメント株式会社から石井氏、小川氏、中村氏をお招きし、当社よりデータ本部の平野、佐藤とともに対談を行いました。
 

  • 石井 正氏

    石井 正氏

    三井不動産商業マネジメント株式会社
    マーケティング推進部 マーケティング推進課 課長

  • 小川 大地氏

    小川 大地氏

    三井不動産商業マネジメント株式会社
    マーケティング推進部 マーケティング推進課

  • 中村 壮登氏

    中村 壮登氏

    三井不動産商業マネジメント株式会社
    マーケティング推進部 マーケティング推進課

  • 平野 明日登

    平野 明日登

    株式会社サイバーエージェント
    インターネット広告事業本部 データ本部 局長

  • 佐藤 花實

    佐藤 花實

    株式会社サイバーエージェント
    インターネット広告事業本部 データ本部 データコンサルタント

膨大な会員基盤を、どう“成果“に変えるか——「人・モノ・カネ」最適化構想

石井氏:私はマーケティング推進部で販売促進関連を担当しています。販売促進と言っても、私どもが運営する三井ショッピングパークららぽーとや三井アウトレットパークの各施設にも販促担当者がいますので、施設毎というよりも、全社の顧客基盤強化と拡大を進めるのがマーケティング推進部の役割です。現在は、顧客基盤の拡大と活用、施設来館価値の向上、そしてデジタルマーケティングへの進化の三点に注力しています。

その中でも、商業施設の顧客基盤拡大やロイヤリティ向上、稼働促進、LTV向上といったテーマに取り組んでいますが、メンバーズプログラムの会員規模は順調に伸びている一方、その基盤をいかに施策に活かすかが大きな課題でした。

小川氏:私も石井と同じくマーケティング推進部にて販売促進・デジタルマーケティング領域を担当しています。当社におけるここ数年のデジタルマーケティング領域の課題は「膨大な会員基盤データと一部のアンケートデータをどう紐づけて“使える”データに昇華させていくか」「全社施策だけでなく、様々な業態があるなか、現場の販促担当者がいかに気軽に活用できる仕組みをどう作るか」が一番の課題でした。そこで、既存のCDPをより効果的に活用しつつ、さらにAIと組み合わせて進化させていけるパートナーとしてサイバーエージェントさんとお取組みを開始しました。

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中村氏:私もふたりと同様、マーケティング推進部で販売促進・デジタルマーケティング領域を担当しています。サイバーエージェントさんとのお取組みを始める前から顧客データを統合・一元管理するCDP(Customer Data Platform)の活用を進めていましたが、データ統合を通じた既存会員の可視化やデータの整理・拡充・利活用と、適切なコミュニケーションの実現を目指して推進してきました。
ただ、当社はららぽーとや三井アウトレットパークだけでなく、MIYASHITA PARKやコレド室町などのリアル施設に加え、ECサイト(&mall/三井アウトレットパークオンライン)も含めて多種多様な業態、多くの会員を抱える中で、膨大なデータの整理・統合・活用にスピード感を持って対応できていませんでした。

日進月歩の領域ゆえ活用の出口も明確化できておらず、会員理解の軸としてきたアンケートも回答者数が一部の会員に限られていて、その回答データをどう施策に活かすかという活用面にも難しさを感じていました。サイバーエージェントさんからのご提案内容を聞いて、現場でのデータ活用がスムーズに進むのではという期待からご一緒することとなりました。

CA平野:私はサイバーエージェントのデータ本部にてデータを活用したコンサルティングを担当しています。ご支援のポイントとして大きく2点をお伝えしました。
1点目は「人・モノ・カネの最適化にAIを活用する」という全体構想を描いたこと。2点目は、機械学習モデルを「分析で終わらせず、マーケティング施策に実装して成果を出す」というビジネス実装力を前面に出したことです。

技術そのものよりも、三井不動産商業マネジメント様の事業構造を理解した上でAIを実務にどう組み込むかという視点を重視しました。コンサルティングだけで終わらない、施策の効果まで一緒に追いかけるチームとして臨んだのが採用いただけたポイントになったと思っています。

すべては会員を“知る“ことから——行動データ×アンケートで全稼働会員にペルソナを付与する「ペルソナタグ」の誕生

CA平野:三井不動産商業マネジメント様とのお取組みにおいて1つ目に行ったプロジェクトは、ペルソナタグの制作と運用です。このプロジェクトでは、定量である行動データと定性であるアンケートを掛け合わせ、AIでユーザーをラベリングしてデータを解析しました。

本プロジェクトのポイントは「機械学習モデルを作ること」ではなく「マーケティング実務で使える形に落とし込むこと」でした。三井不動産商業マネジメント様のもつ会員データを整理・統合し、アンケート回答者約120万人のデータも活用し、分類モデルを構築しました。アンケート未回答の会員にスポーツ・グルメ・子育て等の興味や嗜好の予測スコアを付与して、“施策でそのまま使える状態”のデータの形にしました。このデータの形を“ペルソナタグ”と私どもは名付けました。

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さらに、この制作したペルソナタグを月次で自動更新する運用に乗せることで、一度きりの分析に終わらせず、現場の販促担当者が継続的にターゲティングへ活用できる仕組みにしました。PoC配信においては、配信母数が約2倍程度に拡大し、来館購買数・クリック数の絶対数増加を確認できました(一部、社内配信ルールの緩和による拡大)。また、キャンペーン配信に対して、AIが予測したペルソナタグのスコアが高いユーザーの方が低いユーザーに比べて来館(購買)してくれる割合が約1.6倍高いという結果となり、これは作成した機械学習モデルの予測が機能していると言えます。 

小川氏:ペルソナタグは造語でしたね。サイバーエージェントさんから教えていただき、今やマーケティング推進部では当たり前のように「ペルソナタグ」と呼んでいます。こういう共通言語ができると、社内での業務展開もしやすくなり、ありがたいですね。

CA平野:ありがとうございます。また、構築当初はアンケート未回答者の回答を「穴埋め」する発想で進めていましたが、それだと施策に活用するために回答内容を解釈する必要があり、現場では使いにくいです。そこで、現場の販促担当者がそのまま施策に使える形に昇華させた、共通言語となるワードが必要だと思って名付けました。要は商業領域をご利用いただくお客様の興味・関心のあるフラグのようなものですが、「ペルソナタグ」という言葉にすることで、プロジェクトへの関与者全員が同じイメージを持って動けるようになる。その効果は大きかったと思っています。

また、構築の際に少し苦労したのは、アンケート回答の扱い方です。回答者が必ずしも正しく回答しているとは限らないこともありますし、例えば「好き」と回答していても実際は購買行動がない、逆に「好きでない」と回答はしているが、高頻度で購買しているといったケースがあります。

ユーザーの行動データと突き合わせて、興味関心と実際の購買行動を正しいデータに落とし込むためのデータ加工・エンジニアリングに一番手間をかけました。三井不動産商業マネジメント様が運営する商業施設のように多くの企業様が入る施設のアンケートやユーザー様は本当に多様で、スポーツ一つとっても利用者の購買パターンが全然違う。そのあたりの現場感覚を三井不動産商業マネジメント様から教えていただきながら精度を上げていきました。

小川氏:そうでしたね。データ定義のすり合わせには正直苦戦しましたね。でもサイバーエージェントさんは単に分析するだけでなく、私たちの事業や会員の実態を理解した上でデータとしての分母を拡張し、「現場で正しく使える形」に構築していただきました。データを活用するにあたって現場で正しく使えることは非常に重要だと考えています。

また、ご提案いただく際も「AIが決めました」で終わらず、なぜそのタグが付くのかという背景や特徴量の分析を丁寧に言語化していただいたことも助かりました。私たちマーケティング推進部のメンバーは元々現場のイベント企画や管理を経験してきており、データ分析の専門家ではありません。そのため、分かりやすく言語化していただいたことは非常にありがたかったです。現場感のある私たちと、データの最前線を歩むサイバーエージェントさんの組み合わせが最適だったと感じています。

“知る“から“動かす“へ——行動変容を予測し、ポイント原資を最適配分する「価格エージェント」

中村氏:本プロジェクト開始前も、会員の稼働を促進するためにポイントを付与して来館を促す取り組みは以前実施していましたが、「その付与が稼働のきっかけになった会員はどんな人なのか」をユーザー単位で深堀りできていませんでした。実際にポイント付与による稼働がどの程度発生しているのか、全体の傾向でしか把握できておらず、適切な対象者の選定と振り返りに難しさを感じていました。

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CA佐藤:私も平野と同様、サイバーエージェントにてデータコンサルタントを担当しております。本プロジェクトでは、「誰が来館しそうか」ではなく「施策によって来館するようになるのは誰か」という観点でAIモデルを構築したことがポイントです。

このプロジェクトは弊社の「価格エージェント」を活用しています。価格エージェントは、AIと経済学を活用して「誰に」「何を」「いくら」値引きすべきかを導き出すソリューションです。三井不動産商業マネジメント様とのお取り組みでは、この仕組みをポイント施策に応用し、「ポイントがきっかけで来館してくださる会員はどなたか」を見極めるために活用しました。
そして検証の結果、コストとなるポイント配布総額は据え置きのまま、施策対象者の来館人数が従来の方法から1.5倍に増加しました。

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小川氏:中村も話していますが、付与したポイントが本当に来館につながっているのか、ポイント付与をせずとも来館する方が施策に多く含まれてしまっているのではないか判別できない状況でした。今回の検証でそれが可視化できたのは大きな一歩だったと思っています。

CA佐藤:ありがとうございます。このプロジェクトにおいては、「何を成果とするか」を改めて三井不動産商業マネジメント様と一緒に整理できたことが大きかったと考えています。来館者数を増やしたいという目標がある一方、ポイント原資を効率的に活用するという観点も欠かせない。単に来館しそうな会員を選ぶのではなく、「ポイントがあることで来館してくださる方」に届けるという発想に落とし込めたことがよかった点だと考えています。

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この考え方はアップリフトモデル(※)と呼ばれるアカデミックな手法がベースになっています。専門的なモデルだからこそ、「何を予測しているのか」「どのように施策へ活かせるのか」を三井不動産商業マネジメント様と丁寧にすり合わせ、共通認識を持って進めることを大事にしました。また、分析結果をレポートで終わらせず、現場の担当者が納得感を持って施策に使える形にすることも意識していました。技術だけでなく、事業課題との接続をどう作るかが大きなチャレンジだったと思います。
※施策を「実施した場合」と「実施しなかった場合」の結果を一人ひとりについて予測し、その差分(=施策による行動変容の大きさ)を推定するモデル。介入効果が高いと予測されるユーザーに施策を実施することで、費用対効果の向上につなげることができる。

小川氏:そうでしたね。分析を通して、これまでの施策においてポイントを付与していなくても来館いただけていたお客様の存在に気づけたのは、当社にとっても新たな発見でした。また、会員解像度の向上と明確な行動の差分を発見できたことは非常に良い検証だったと捉えています。現在構想している別プロジェクトにも派生して活用できるモデルなので、積極的に活用しながら検証を深めて、定常的に効果が出せる型化を目指していきたいです。

中村氏:サイバーエージェントさんとお取組みを始めてから、サイバーエージェントさんのスピード感にいつも驚いています。ただ早いだけではなく、我々の持つ独自データや事業形態なども加味しつつ細かくスピード感をもってご対応いただいていることに感動しています。

石井氏:データやAIといった専門的な話の部分で、私たちが追いつけていないところまで、短期間で一気に吸収して共通言語化していただきました。「ペルソナタグ」という造語もまさにそうで、お互いが理解しながら速いスピードで回していける。今の段階でプロジェクトが本番稼働できる環境まで持っていけたのは、サイバーエージェントさんが入ってくださったからだと強く感じています。

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更なるデジタルマーケティング高度化へーー圧倒的スピードで描くデータ×AIの未来

石井氏:これからも費用対効果を見ながら最適な施策・手法を見極めつつ、顧客基盤の拡大とロイヤリティ向上というKPIに貢献できる取り組みをサイバーエージェントさんとともに積み上げていきたいと思っています。
デジタルマーケティングという分野は変化が速く、やれることもどんどん広がっています。まさに日進月歩ですね。だからこそ、常に最適な手法を探りながら、一緒に進化していきたいですね。

小川氏:サイバーエージェントさんとは、2025年度から一緒に歩んできて、お互いの情報・認識がかなり噛み合ってきた段階だと思っています。サイバーエージェントさんとしても当初は「ショッピングセンターってどんな業態なんだろう」というところから始まったはずで、それが今やお互いの前提が揃った状態でスピーディーに動けるようになっています。
ここからはよりスピーディーに、より深く、デジタルマーケティングの取り組みを、さらに加速させていきたいです。

中村氏:すでに当社データへの理解度が非常に高まっているサイバーエージェントさんだからこそ、私たちだけでは発見し得ないインサイトを見つけてくれています。新しいパートナーだとデータの理解にどうしても時間がかかりますが、サイバーエージェントさんはすでにかなり習熟されていますので、そのアドバンテージを活かして、私たちが気づけなかった改善点や新たな施策のヒントを一緒に見つけていきたいと思っています。今後もよろしくお願いします。

CA平野:三井不動産商業マネジメント様の面白いところは、ショッピングセンターというリアルな場を通じてお客様に感動を届けられるポジションにあることです。デジタルと、リアルの場の豊かさを組み合わせた独自のコミュニケーションができる余白がまだまだあると思っています。

ご提案させていただいた2年前はまだ生成AIがなかった時代でしたが、今は状況が大きく変わりました。生成AIの台頭で、多種多様なクリエイティブパターンを大量に生成・検証することが現実になっています。分析から仮説を絞り込んでいた従来のやり方に加えて、たくさんのパターンを試してデータとして学習させていく、というアプローチが加わることで、一人ひとりに刺さる訴求を見つける精度が格段に上がります。

私が目指しているのは、本当の意味でのワントゥーワンマーケティングです。一人ひとりに合った情報が、その人にとってちょうどいいタイミングで、心に届く形で届く世界。御社との取り組みはすでにそこに向かっていると思っていますし、日本でトップレベルのワントゥーワンマーケティングを一緒に実現していきたいと思っています。

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CA平野:作成したペルソナタグは昨年度に一定の成果と評価をいただけていると感じています。次のフェーズは「よりたくさん使っていただく」ことです。具体的には既存タグの追加・拡充と、施設現場の担当者が日常的に使いやすい状態へのアップデートを進めたいと思っています。
機械学習モデルを構築することも、スコアの精度や実績を出すことも、もちろん大事です。ただ、マーケティングの本質として一番大切なのは、エンドユーザーであるお客様に正しく興味のある情報が届くということです。モデルやペルソナタグはそのための手段にすぎません。それらが進化することで、お客様一人ひとりが自分に関係のある情報を自然に受け取れて、それが来館という行動につながる。そういう状態を目指して、引き続き取り組んでいきたいと思っています。

CA佐藤:今回のポイント原資最適化プロジェクトを通じて、施策によって行動変容が期待できる会員を見極めるアプローチの有効性が確認できました。今後は三井不動産商業マネジメント様が構想されている他の施策への応用も含めて、マーケティング投資を効率的に活用できる継続的なご支援をしていきたいと思っています。

また、今回の取り組みで得た知見はさまざまなコミュニケーション施策に活用できます。ポイント施策に限らず、「この施策を打つことで行動が変わる人は誰か」という問いを軸に、御社のあらゆる顧客接点に応用していけると考えています。引き続きご一緒していければと思います。


※価格エージェントとの取り組みはこちら
https://www.cyberagent.co.jp/way/list/detail/id=32902


記事制作・撮影:   株式会社サイバーエージェント  インターネット広告事業本部   広報

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