
SXSW 2016 INTERACTIVE INNOVATION AWARDの受賞者が決定
SXSWインタラクティブ・イノベーション・アワードは、現地リポート「その2」でも記載しましたが、その年の様々な革新的なアイデアを評価する、 新興企業の登竜門といった位置づけのアワードです。
過去にはTwitterやAirbnb、Pinterestなどがこのアワードの受賞を契機に一躍有名になったと言われています。そういった意味で、SXSW Interactive 2016の「今年の顔」を決める場といっても過言ではないと思います。


HEALTH, MED & BIOTECH:
予防から医療現場、そしてケア領域におけるビジネス/プロジェクトの部門
受賞サービス名:DESKGEN(画像1)
URL:https://www.deskgen.com/landing/
説明:遺伝学におけるゲノムのパターンを見た目からデータまでユーザーに理解しやすいよう一貫してすべて説明してくれるサービス。
INNOVATION IN CONNECTING PEOPLE:
ソーシャルネットワーク等、人と人とのつながりをつくるビジネス/プロジェクトの部門
受賞サービス名:Don’s Voice(画像2)
URL: http://www.notimpossiblenow.com/labs/donsvoice
説明:ALSなどの身体が不自由な障害がある人達が、顔の動きで自由に携帯などの端末を動かせるサービス。
INNOVATIVE 3DIY:
3Dプリンティングをより身近にしたビジネス/プロジェクトの部門
受賞サービス名:Wevolver(画像3)
URL:https://www.wevolver.com/
説明:バイオリンも作成できる3Dプリンター。
MUSIC & AUDIO INNOVATION:
音楽をもっと楽しむためのサービスやデバイスを讃える部門
受賞サービス名:Here Active Listening System(画像4)
URL: https://www.hereplus.me/
説明:スマートフォンのアプリでコントロールするワイヤレスのイヤフォン。
NEW ECONOMY:
シェアリングエコノミーや仮想通貨など、経済の仕組みを変えるビジネス/プロジェクトの部門
受賞サービス名:ShareTheMeal(画像5)
URL:https://sharethemeal.org/en/
説明:世界中の食料不足な子供達に寄付をするサービス。
PRIVACY & SECURITY:
個人データ、プライバシーを守るための新しい仕組みの部門
受賞サービス名:Peeple(画像6)
URL: http://peeple.io/
説明:玄関の覗き見に設置する新しいタイプの防犯カメラのプロダクト。
RESPONSIVE DESIGN:
インタラクティブデバイスにおいて機能的で美しいデザインの部門
受賞サービス名:Breakthrough(画像7)
URL: http://breakthrough.nationalgeographic.com/
説明:ナショナルジオグラフィックの紹介サイト。
SCIFI NO LONGER:
SFの世界を現実化してしまうくらい影響を与えるサイエンスの部門
受賞サービス名:Lily Camera(画像8)
URL: https://www.lily.camera/
説明:水陸どこでもGPSを基準に撮影できるドローン。
SMART CITIES:
IOTなどのInternet of Everything時代に向けての部門
受賞サービス名:KASITA(画像9)
URL: https://kasita.com/
説明:住んでみたい家を写真などをもとに作ってくれるサービス。
STUDENT INNOVATION:
未来をつくる学生発のプロジェクトの部門
受賞サービス名:Plantlike Robot(画像10)
URL: http://jiwonjun.com/1IntrotoPlantlikeRobot
説明:動きに反応する、ロボットのように知能を持つ植物。
VISUAL MEDIA EXPERIENCE:
魅力的なエンターテイメントを提供するビジネス/プロジェクトの部門
受賞サービス名: The Fallen of World War(画像11)
URL: http://www.fallen.io/ww2/
説明:第二次世界大戦をインタラクティブを駆使して振り返るプロダクト。
VR & AR:
ARとVRにおいての真のブレークスルーを評価する部門
受賞サービス名:Mill Stitch(画像12)
URL: http://www.themill.com/millchannel/552/millstitch
説明:映画並の画質のクオリティでリアルタイムで360°の中から必要な場面を切り取れるプロダクト。
WEARABLE TECH:
”より自分に”フィットする新しいハードウェアを讃える部門
受賞サービス名: Quell Wearable Pain Relief Technology(画像13)
URL: https://www.quellrelief.com/
説明:長期にわたる持病や怪我などの痛みを軽減してくれるプロダクト。
SXSW 2016: JAPAN HOUSE
SXSWの本拠地である「Austin Convention Center」から2ブロックくらい離れた、ライブハウスやミュージックバーが立ち並び昼夜問わず盛り上がっている通りに、バーラウンジを一棟借り切った「JAPAN HOUSE」というラウンジが用意されています。
「JAPAN HOUSE」のコンセプトは、“Extension of Humanity”。
急速なテクノロジーの普及で、私達の生活は大きく変化を遂げました。 2016年のJAPAN HOUSEは、ロボット、モビリティなど、人間の可能性を拡張してくれる最新技術にフォーカスします。 テクノロジーは人間性をどう拡張するのか。その先にあるのは持続可能な薔薇色の未来社会か。 あるいは、私達を待ち受けているのは更なる人間性の謎、その深淵なのか。 …ここJAPAN HOUSEで、みなさんといっしょに改めて「人間とは、人間性とは何か」を考えてみたいと思います。 Extension of Humanity。人間性の拡張とは、何なのか。
(Japan House Webサイトより引用: http://jpnhouse.com/)

JAPAN HOUSEラウンジ内では様々な展示がしてあるのですが、海外の方からも人気があったのが、 大阪大学の石黒浩教授のアンドロイドです。
石黒教授といえばマツコ・デラックスにそっくりなアンドロイド「マツコ・ロイド」を制作した人物で有名ですね。展示されていた石黒教授にそっくりのアンドロイドは、まだ若干の違和感はありながらも外見や動きはかなり人間に近い仕上がりになっていました。
そのアンドロイドの正面に座り会話を楽しむこともでき、訪れた人はアンドロイドとの会話を体験していました。ロボットやAI技術も進んでいるので、近い将来いたる所でこの光景が見られるようになりそうです。
次に、NTTとアソビシステムが提供する「Kirari!」も海外の方からも人気でした。「Kirari!」は、 紙で組み立てるタイプの、スマホを装着して楽しめるハンディ・ ホログラム・ボックスです。
また、トヨタの「i-ROAD」も展示してあります。クルマとバイクの中間のような電気自動車です。車幅が抑えられているので、バーの壁際にもしっくりおさまります。SXSWにトヨタの最新技術が展示されていることは、日本勢としてはなんだか誇らしい気分になりました。

SXSW 2016は、未来“想像”と未来“創造”のフェスティバル
SXSW 2016を約3日間という短い間ですが全力で体験しました。(3日間ではとてもすべて見れない規模です!)
SXSWに訪れているのは、男女問わず、子どもから大人、騒ぎたい人からビジネスマン、キャピタリスト、クリエーター、フィルムメーカー、ミュージックフリーク・・・挙げればきりがありませんが、全世代、全職種です。それらの方々が有機的に「Community」を作り刺激し合う場が「SXSW」だと感じました。「こりゃあイノベーションも起きるわ!」という環境と雰囲気がココには満ちあふれています。
また、「SXSWって?」と聞くと、聞いた人の数だけ様々な答えが返ってきます。テクノロジーのフェスティバルだ、アイデアのフェスティバルだ、エンターテイメントのフェスティバルだ、プロトタイプのフェスティバルだと言う人もいる。SXSWで取り扱うモノゴトに、「関係ない」と言える人は居ないでしょう。
現地で体験したことを総括していうと、SXSWとは、「未来想像と未来創造のフェスティバル」だと感じました。未来へのテクノロジーや、未来へのアイデアや、未来へのプロトタイプを惜しみなく出し合い、足し算したり引き算したり掛け合わせたりして、未来のために議論しあう場こそSXSWです。
さて、31年目のSXSWでは、誰がどんな未来が実現しているのか・・・。
筆者:株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部
クリエイティブ・テクノロジー局
局長 二宮 功太 / プランナー 並木 玲旺奈
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