2016/1/18 Mon
【特別対談】効果を出すアフィリエイト広告運用(2)対談:リアルワールド社
菊池 誠晃(きくち まさあき) 氏
株式会社リアルワールド 代表取締役社長
金光 善浩(かねみつ よしひろ) 氏
株式会社リアルワールド 取締役
手塚 太一(てづか たいち)
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 アフィリエイト局 局長
上田 展之(うえだ のぶゆき)
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 アフィリエイト局 マネージャー
効果を出す アフィリエイト広告運用 (2) -リアルワールド社 特別対談-
アフィリエイト広告の現状や活用についてお伝えしていく本コラム。
前回は、アフィリエイト広告において効果を上げるための基本的なポイントについてお伝えしました。
第2回目の今回は、アフィリエイトサイト「Gendama(ゲンダマ)」を運営するリアルワールド社の菊池氏、金光氏をお迎えし、当社アフィリエイト広告担当の手塚、上田と特別対談を実施。
アフィリエイト媒体の視点から、アフィリエイト広告の現状と今後の活用についてお話を伺いました。
アフィリエイト媒体がコンテンツ作りにおいて意識していること
CA手塚:お客様が御社の媒体に広告を出稿するにあたり、御社が意識していることや注力していることはありますか?
金光氏:もともと「Gendama」は、新規ユーザーの獲得数を強みにしていましたが、近年はスマートフォンの普及率の増加などの要因からユーザーの環境が変わり、媒体に接触する態度や頻度についても概念が大きく変わってきていると感じています。ユーザー個人のストーリーに合わせた、媒体との心地良い接点をどれだけ多く作れるかという点を特に意識してコンテンツ作りをしています。
菊池氏:アフィリエイト広告のポイント媒体は、これまではバナー広告とアフィリエイト広告だけで運営しているところが多かったですよね。獲得件数のボリュームは引き続き有力ではあるものの、今の時代はそれが大きいだけでは、メディアの価値がないと思っています。ユーザーをどれだけクライアントサイトに送客させられるかだけではなく、その先のユーザーのLTVの高さがその媒体の価値になっています。
ポイントサイト業界では、ポイント付与率の勝負がずっと続いていましたが、今はなぜそのクライアント様のサービスが良いのか? というストーリーをしっかりとユーザーに伝えていかないと、結果的に広告主側もユーザー側もメリットがないと思っています。
CA手塚:今は、バナー広告だけで集客するのではなく、ソーシャルメディアなどからユーザーを集客していますよね。その先に、ポイントが貯まるだけではなく、「便利」「ためになる」などのユーザーにとっての付加価値をしっかりと認識してもらうというイメージでしょうか?
菊池氏:そうですね。流入元が検索からソーシャルメディア経由に大きくシフトしてきている中で、引き続きサービスを拡大していくためには、ユーザーが当社のサービスを利用して、他の人にも勧めたいと思うとか、利用していることを誇れるような対象でないとならないと思っています。そのために、当社ではポイントが貯められることに加えて、ユーザーにとって有益な情報を発信する取り組みを始めています。
獲得ボリュームとユーザーのLTVの両立
CA上田:これまでは、ポイントを付与すればするだけ獲得件数も上がって、爆発力がありましたが、それよりもきちんとサービスを使ってくれるユーザーを獲得するという考え方に変わっているのでしょうか?
菊池氏:両方とれるのではないかと思っています。今当社が特に重要視しているのは、ポイント付与率を上げることよりも、ユーザーが当社のサービスを使う理由づけの深掘りです。例えば物を選ぶ時は、安いからという理由だけじゃないと思うんです。サービスを利用する際に人が勧めてくれる安心感や信頼感、説得力。それらを感じることで、結果的にユーザーもより多くのメリットを得ることができますしLTVの向上に繋がると考えています。
CA上田:実際に、LTVが向上してきているクライアント様の実績はありますか?
菊池氏:EC系で言うと、かなり出てきていますね。
CA上田:そうなんですね。昔からEC系のお客様では、「Gendama」の実績が非常に高いですよね。その理由は、今お話しいただいた、ユーザーにとって「Gendama」が、単なるポイントが獲得できるサイトではないからですよね。
菊池氏:立ち上げ当初から、お買い物のついでに簡単にポイントを貯めることができる点をユーザーに対してアピールしていました。それに加えて、近年ではリターゲティングメールやプライベートDMPを活用したサジェスト機能を提供しています。また、アンケート等からのコンバージョン、その後の継続利用まで、認知・関心・行動のユーザーフローを当社のメディア内において一気通貫で提供できていることが鍵になっているのではないかと考えています。
アフィリエイト広告において媒体社が代理店に求めること
CA手塚:私どもはお客様とお話する機会が多いので、ユーザーとコミュニケーションを密にしている御社とうまく連携すると、良い形の取り組みができるのではないかと考えています。その上で、御社が代理店に求めるものはどのようなことでしょうか。
菊池氏:まず1つ目は、承認が早い方がユーザーより活性化するので、そこを代理店やクライアントの皆様にお願いしたいですね。それがユーザーのLTV向上にも繋がってくると思います。
あとは、クライアント様が成果データを却下した場合、ユーザーは「なぜ却下するのか?」という疑問を持ちますよね。基本的なことですが、当社はその問いにきちんとお答えしたいです。不正は絶対に抑えていかなければなりませんが、本当は正しくアクションしながら却下されてしまったというユーザーに対して、いかに誠実に向き合うかが、ユーザーからの信頼感やどれだけサービスを愛用してくれるかに繋がっていくと思っています。ですので、そのあたりも連携していきたいです。
CA手塚:当社では、独自のアフィリエイト計測ツール「ADME(アドミー)」において、成果データをメディアの皆様と自動連携する機能を開発し、承認がより早くできるようになっています。また、ユーザーへの対応についても、クライアント様と当社で管理シートを作成し過去に遡ってデータを残すことで、ポイント付与に関するお問い合わせがなくなるように務めています。
菊池氏:それは有難いですね。他に代理店の皆様にお願いしたいことは、取り組みに対する対価の部分です。アフィリエイト広告における媒体の成果単価が、他の広告プロダクトと比較すると安くなってしまっています。アフィリエイト広告の中でも、当社のように新規獲得したユーザーのLTVの向上に努めて効果が出ている媒体もありますので、プロダクト軸で単価を決めるのではなく、媒体ごとに正当に単価を決めていただきたいです。
それについては、我々からも情報発信して伝えていかなければならないと思っていますが、御社にもご協力いただきたいところですね。
CA上田:そうですね。今後はお客様も、よりLTVなど、CVの先の数字を重視していくと思います。例えば金融や単品通販系もそうかもしれませんが、ユーザーのLTVが悪くなってきたから成果報酬を下げて、良くなってきたから上げてといったことが柔軟にできるようになっていくと良いですね。
菊池氏:はい、是非お願いします。あと、今はキュレーションサイトが時流にのっているので、クライアント様にご提案する機会は多いと思います。当社もキュレーションメディアのようなコンテンツを作って情報発信をしているので、今後タイアップなどの新たな取り組みはできると思います。
そうすると、ユーザーへのインセンティブは、アクションに対するものではなく、例えば見ることだったり、アンケートに答えるようなものでも良いと思いますし、実はやり方はたくさんあります。
「ポイント」と、「ポイントで動くユーザー」という資産をどう活用するか。それをトレンドにどう合わせていくか。それを一緒に考え実行していけると、もっと可能性が広がると思います。
アフィリエイト業界は、インターネット広告において歴史は長いですが、時代に合わせてまだまだ変えられるはずだし、変わっていかなければならないのに、概念が凝り固まっていてチャレンジしていない印象があります。それをサイバーエージェントさんに引っ張っていってほしいと思います。
CA手塚:是非チャレンジしていきたいと思います。メディアの皆様と連携して、クライアントファーストとユーザーファーストの両方を実現して、当社がそこを引き合わせて良い形でお取り組みができたら良いなと思います。
菊池 誠晃(きくち まさあき) 氏
株式会社リアルワールド 代表取締役社長
1978年、愛媛県生まれ。1997年、大学在学中に WEB企画・制作・運用の会社を起業。
2001年、もっと大きな市場でインターネットビジネスを仕掛けるべく上京し、株式会社サイバーエージェントに入社。数々の新規事業の立ち上げを行う。
2005年7月株式会社リアルワールドを設立、代表取締役社長に就任。時間や場所に関係なく、自分のペースで働くことができるクラウドソーシング サービス「CROWD」、ネットショッピングやサービスの利用でポイントを貯める ことができるクラウドメディアサービス「REALWORLD」「Gendama」、貯めたポイ ントを現金や電子マネーに交換することができる「ポイントエクスチェンジ」を 運営。総会員数 917 万人を超える。
2014年9月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場。
金光 善浩(かねみつ よしひろ) 氏
株式会社リアルワールド 取締役
1982年、東京都生まれ。2007年11月フォーランドフォレックス株式会社(現:楽天証券株式会社)入社。マーケティング、プロモーションを担当。2011年6月株式会社リアルワールド入社。15年12月取締役に就任、クラウドメディア事業を担当。
手塚 太一(てづか たいち)
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 アフィリエイト局 局長
2012年、サイバーエージェントへ入社。インターネット広告事業本部にて、金融、人材系広告主の営業に従事。2013年よりアフィリエイト局にて、金融、美容系広告主を中心にアフィリエイト広告のコンサルティング業務を担当。2014年にマネージャー、2015年より局長に就任し、アフィリエイト広告商品のコンサルタント兼セールス組織の責任者を務める。
上田 展之(うえだ のぶゆき)
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 アフィリエイト局 マネージャー
2001年、サイバーエージェントへ入社し、自社媒体の運営、広告営業を担当。その後インターネット広告事業本部にてアフィリエイト局の立ち上げに参画。2008年から2015年まで西日本(福岡)に所属し、担当業界は多岐に渡りアフィリエイト広告の拡大に寄与。2015年より東京の広告主を中心にアフィリエイト広告のコンサルタントとして従事。
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