2020/1/21 Tue

“ブランド広告を運用する” そのためのライブモニタリングに重きを置いた「どんなときもWiFi」のWebマーケティング施策とは

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ポケット型WiFi「どんなときもWiFi」におけるWebマーケティングの取り組み事例について、株式会社オールコネクトより、斉藤氏、加藤氏を迎え、当社のデータコンサルタントおよび営業担当者と共に、対談を行いました。

斉藤 鋭一 氏

株式会社オールコネクト
取締役
第一事業本部 本部長

加藤 はる奈 氏

株式会社オールコネクト
第一事業本部 第一事業部
事業部長

永元 康之

株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部 
営業局 シニアアカウントプランナー

柚山 慶介

株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部
マーケティングテクノロジー局 チーフコンサルタント

「どんなときもWiFi」のWebプロモーションにおいて、データを活用し如何にブランド広告を運用するのか?

―お取引の背景や当時の課題感
 
斉藤氏:弊社が提供する無制限のWiFiサービス「どんなときもWiFi」のデジタル領域のプロモーションをサービス当初より手伝って頂いています。
今まではキャリアさんが作ったブランドを我々が販売する、というかたちでしたが、今回、一からブランドを作っていくという初めての取り組みを行っていくにあたり、デジタルアド領域をサイバーエージェントさんと一緒にすすめています。
昨年2019年の2月くらいに初めてお話させて頂き、3月からローンチを行いました。
 
―ほか代理店さんも検討されたのですか?
 
斉藤氏:Web広告は自社でも経験があったので、元々は代理店さんを頼らずに自分たちでやろうと考えていたんです。
 
自社で行うにあたり最も懸念したのは、媒体ごとに1つずつ広告の発注をかけていくとしたら自社でデータ連携・集約がどこまでできるのか?という点です。
そこで、サイバーエージェントさんに各媒体のデータ連携について相談をしたところ、データコンサルタント部門の柚山さんをアサインしていただいて。話を伺って、これはお任せしたらすごく強いだろうな、と感じ貴社にお願いすることにしました。
 
CA永元:課題感を伺って、コミュニケーションデザインももちろんそうですが、データを活用し如何にブランドを運用するか?ということが肝になると考えていました。
まず、“ブランド広告を運用する”というこのテーマ自体、なかなか前例のない課題でした。
コミュニケーション設計を組み立てる上でブランドに詳しいプランナーを加え、それを設計したあとに、配信結果をどのように計測していくかが大事になってくるので、データコンサルタントの柚山をアサインしたのです。

​短期・中期・長期的指標で変えていく評価指標とは

―設計にあたり、当時のKPIとは?
 
CA永元:最初は、“獲得から逆算したときの認知をどう計っていくか?”ということを目的に、よくある視聴単価や視聴率などにKPIを置いており、当時はまだ獲得からの距離が遠かったんです。その点をチームで、「もう少し獲得に近いところで計っていける状態を設計できないか?」と議論を重ねていきました。
そして、KPI設計から、KPIを図るための計測環境、それをライブモニタリング、デイリーでモニタリングできてコンサルタントが運用できる環境ってどういう状態なのか?ということをひとつひとつ定義していったのです。
 
CA柚山:商材が、“インターネット上で申し込みまで完結する”サービスでしたので、コンバージョンまでのデータがとれるというのは大きなアドバンテージでした。調査データをブランドの指標とするケースもありますが、短期運用に回せるだけの期間で調査をとれないというところは、大きな課題かなと思っていました。
 
一方で、短期的に回していく指標でいうと、“動画視聴後にサイトに来訪しているか?コンバージョンしているか?”といういわゆる、“ビュースルーコンバージョン”と呼ばれるものが、短期指標には適していました。
ただしこのビュースルーコンバージョンは、いろいろ議論が分かれるところではあります。
 
そこで、グーグル社が提供している「Google アナリティクス 360」や「Campaign Manager」といったツールを組み合わせ、“データ・ドリブン・アトリビューション(以下DDA)”をブランド動画広告の評価指標に追加しました。
“DDA”を用いることで、「特定の動画が何件分のCVに貢献したか」ということを機械学習で算出された数値から可視化することが可能になったのです。
 
しかしながら“DDA”の計測範囲には一定の制約が存在するため、短期運用は“ビュースルーコンバージョン”で行い、中期運用は“DDA”を用いることで、「日々おこなっている運用が偏りあるものではないか?」「効率面においてもアトリビューションまで加味した上でどうなっているか?」という点を見ていきました。
 
さらに長期では、調査データを重ねてみていくことで、“運用”・“評価”・“戦略”まで落としていくことをやろうと思っています。
 
これらひとつひとつの指標は、以前からあるものでした。ただ実際に運用に回そうとすると、いろいろなツールや場所にあるデータをかき集めて、毎回手動で更新する必要がありハードルが高いものでした。それを実現するためにセールスフォース社の提供する「Datorama」でモニタリング環境を構築しました。
構築においては、弊社のレポートツールである「CAダッシュボード」組み合わせることで立ち上げまでの期間を大幅に短縮させることができたのです。
毎日モニタリング可能な環境整備をしたことが、比較的短期間で「この施策が効いている」と見つけられた要因の一つだと感じています。

―提案を受けていかがでしたか?
 
斉藤氏:正直、「ここまでできるのか」と。まだ課題はありますが、確実に、“ブランド広告を運用している”という実感を全員が持てる環境は構築できたのではないかなと思います。なので今後に向けては、パフォーマンスを上げていくだけですね。
 
加藤氏:ビュースルーコンバージョンと比べるとまだ精度的なところに課題はあると思いますが、弊社だけではそこまでできなかったと思うので、非常に感謝しています。
 
 
KPI自体を変えていき、KPIそのものを運用する

―チャレンジされたポイントとは?
 
CA柚山:データの観点でいくと、最初はそもそもですが、“当たり”が分からなかったので、ビュースルーコンバージョンの到達地点をいろいろチューニングするということは最初にチャレンジしていきました。
 
コンバージョンに近いところが最も重要になってくるので、そこで運用した結果、そのあとのサーベイや“DDA”と比較したときに、「どうやら日々の運用は正しい」という関連性ある結果が出ていた点は、大きな発見だったと思います。
最終的に、きちんと形になっていますね。
 
CA永元:PDCAを回しながら、フェーズごとに追うKPIも変わっていきました。追うKPIがきちんと伸びていく状況を運用環境で構築し、最終的なゴールである“契約件数”は大きく伸長していきました。
 
CA柚山:難しいのが、“KPIそのものを運用している”ということです。一度決めたKPIは、半年や1年くらい変えたくないものですが、“そのKPI自体を変えていく”という点において、みなさんにとても早く意思決定していただけました。スピーディーな意思決定いただけたことは、今回の成果の大きな要因の1つです。
 
「一度決めたKPIだから、早々に変えられない」という判断をされてもおかしくないところを、こちらの提案に寄り添い信じて頂けたことはとても有難かったです。
 
CA永元:まだ1年経っていない状況で、ここまでのかたちを作れたのは、本当にお二人の意思決定の力だと思っています。
最適解を毎回当てさせてもらった時に、「ではそれに変更して、それでいきましょう」とKPIがどうなのか分からない中にも関わらず、迅速な意思決定をして頂けたことでPDCAを早く回すことができました。
―この意思決定の早さは、貴社の文化として根付いているものなのでしょうか?
 
斉藤氏:そうですね。正解が分からないものに対して議論を交わして動かないよりも、とりあえず走ってみる。そうすることで分かることはすごくある。これは弊社の文化ですね。

 
モニタリング環境の構築によって進んだ効率の向上

―試行していくなかでのターニングポイントとは
 
斉藤氏:データをみながら施策を走らせてみても、それが正しいものだったと分かるのは、サーベイなどを経て数か月後です。なので、最初は、これが合っているのか判断つかずにぼんやりしていますよね。それは当初から言われていたことなので。
 
CA永元:はい。ですので柚山がモニタリング環境を作り上げてからは、チームでそれをみながら運用ができる状況になりました。
毎日レポートを見て実際に運用まで落としていく時に、「KPIに対し、メディアごとにターゲティング、クリエイティブがどのような状況になっているのか?」ということを、モニタリング環境が構築できたことで、かなり効率が上がっていきましたね。
 
―運用を行う中で、難しさを感じるタイミングはありましたか?
 
斉藤氏:それを感じるのは、これからですね。いま配信している媒体に、今後は、さらに「この媒体も繋げほしい」というような相談もさせて頂くかと思います。制約があるなかで、どこまでできるか?という挑戦になっていくと思います。
 
加藤氏:同一指標で図ることができない媒体が多少あるので、「これが良かったのか?悪かったのか?」「こちらに予算を寄せよう」とか、判断がつきにくいということはこれからの課題かなと思います。
“ブランドを運用する”というテーマを掲げつつ、契約件数を伸ばしていく

―1年弱行ってきて見えてきた効果とは? 
 
斉藤氏“見える化することによって運用が可能になった”という点は、まず大きな成果です。
あと、われわれと貴社のチーム全員が共通認識を持ち、基本的には今のところ失敗がなく「上手くいっているね」という感覚をチームとして共有できているのも成果だと思いますね。
 
こんなにも拘って他の会社さまはやれていないと思いますし、また、“ビュースルーコンバージョンをKPIにした運用でも成果に繋がる。”というところにもチャレンジしているので、それが出来るだけでもかなり強いことだなと感じます。
 
CA永元:“契約件数を増やす”というゴール認識は持っている上で、“ブランドを運用する”というテーマにチーム全体で向き合えていることが良い結果に繋がっていると思います。
“ブランドを運用する”というテーマに対して着実に進んでおり、契約件数も実際に伸びてきていますし。
 
いまは結構、ポジティブな悩みが多いと思っています。次のステージにいくためにどのような運用をしていくのが良いのか?もしくは、ブランドをどのように踏んでいけばコンバージョンへの影響値が高まるのか?という議論を進めていくタイミングになってきていると感じます。


▼​毎日モニタリング行う構築したライブモニタリングの運用画面
再現性を生み出だすブランド運用

―今後の展望
 
斉藤氏:今後に向けては、さらに精度高く追えるようにしましょう、と共通の目標があるので、そこをいち早く捉えていきたいですね。
 
あとは、普段からもやっていただいていますが、各媒体などから提案の話においても、それを複合的に判断していくというところにおいては、やはり貴社が間にいて頂けることはとても有難いです。情報のスピードは御社のほうが絶対に速いと思うので、新しい広告の手法や媒体活用も含めて、当初から今も変わらず期待しているところです。
 
加藤氏:データ分析に関しては、定期的な振り返りのタイミングなどでお話いただき、つねに発見があります。引き続き、今まで通りのデータ分析を期待しています。
 
CA柚山:オフラインチャネル施策を含んだ評価や運用ができないかどうかを深掘って行きたいと思います。現実問題として、1つのデータソースで計測不可能な範囲もまだまだたくさんあるためです。
通常、このような試みはデータ集約だけで膨大な時間が発生しますが、既に多数のデータがきれいにモニタリング環境に蓄積されているため、このアドバンテージをフルに発揮してトライアンドエラーを繰り返していきたいと思います。
そして、当初のテーマから変わらず、“ブランドを運用する”という、難しい領域を突き詰めてやり切る、というのは引き続きご一緒させていただきたいです。
 
CA永元:“ブランドを運用する”というのは、まだまだ追いかけいくべきテーマだと感じていますし、本プロモーションを突き詰めていった先に、オールコネクトさんで保有する様々なサービスや今後新たに出てくるサービス、他事業においても、今回の件が活かされ、そして売上に繋がり、さらなる会社の成長に寄与することができたら、と思っています。
 

斉藤氏再現性の話になりましたが、そういえば当初から再現性についてご相談していましたよね。
 
CA永元:そうですね。そもそも、なぜブランドを運用したいのか?というと、もともとダイレクトの知見をお持ちでしたので、今回ブランドに取り組むにあたり、今まで培ってきた再現性を、未開のブランド領域でも生み出していきたい、というのは最初のオーダーでした。それを上手くかたちにして、再現性を生み出してくれているのは柚山ですし。
 
斉藤氏:次に新しいブランドをやる時には、今回の経験で順序が分かってきているので、再現性を生み出してくれていると思います。
そして、われわれとしては、引き続きいい商品を作りそれをより磨いていくこと。貴社のみなさんにおいても役割があるので、両社共に各々の役割をしっかり行っていくことを続けていきたいと思っています。
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取材・執筆: 加藤 貴子  (株式会社サイバーエージェント  インターネット広告事業本部  広報)

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