【前編記事の続き】
Nina氏:お二人の方が詳しいと思うんですけれども、日本のテレビCMでゲームが流れているのを見たとき、
“ブランディング目的”と“ダウンロードの促進目的”では、異なる動画フォーマットだったので、日本ではしっかりと使い分けがされていて、上手くいっているのかなと感じました。
CA川越:
ゲームではそれが顕著です。ちょっと細かいんですけれども、ゲームでテレビCM用にちゃんと作られたものを、モバイル動画用に変える時、かなりクロッピングしなくてはいけない。そのままの画像だと解像度が悪くなってきてしまうので。AIで解像度をあげるシステムを導入し解決しています。
Nina氏: YouTube で流れたりする2分ほどの長尺のものですよね。それが Twitterだとまた違う仕上がりになっていて、モバイル用に最適なフォーマットを上手く活用できているなあと感じました。
橋本氏:これは最近Ninaが気に入っている、クリエイティブの使い分けができている動画事例です。(動画を閲覧)
CA竹ノ内:この動画、弊社でプロモーションをさせて頂いたゲーム会社ですね。
Nina氏:そうなんですね!この動画は、繋がりがあるようにきちんと世界観が保たれていて、違う目的で広告という風になっているのがいいですね。
CA川越:このクリエイティブを作ったのは僕の隣に座っているメンバーなので、伝えておきますね。喜ぶとおもいます(笑)。
Nina氏:是非お伝えください!
Jake氏:
長尺と短尺のクリエイティブがあり、YouTubeに流す動画とTwitterで流す動画、配信メディアが異なるときのクリエイティブについて、貴社ではどのようにお考えなのか気になります。
CA川越:作り分けということですね。
Jake氏:キャンペーンのフローや、それぞれのチャンネルに沿って作り方を考えられており、ブランドの動画単位というよりは包括的に考えているようでしたので、具体的にどういう風にされているのかなと思い、質問させていただきました。
CA川越:この作り方は多分、 Twitter とギリギリ Facebook に当てはまるルールで。例えば YouTube になると、音を意識した作り方をするというルールが加わってくるとか。
Twitter の場合の尺は3秒なんですけれども、言うまではないように YouTube だと5秒と言う強制している時間があるので、 Twitter と作り方が変わってくるというような感じです。
Nina氏:すごい、ここまで作り分けの知見があるなんて。
CA川越:キャンペーンのアカウント構造の話をすると、まずテストを行い、正しい判断ができていることが確認できれば最適化をかけ、最適なアカウント構造化を図っています。先日のニューヨーク出張の際にも、Twitter本国のアカウント構造の最適化担当の方とお会いし、様々なお話をさせて頂きました。
Nina氏:ティザー期においては、目を引く
短尺素材のようなものが効くということが最近わかってきました。それを、ローンチのタイミングで、長尺用にも準備を温めておくというような効果があるのではないかなと。
プロモーション後半の方では、会話を持続させるためのフォーマット作成や、モーメントに合わせてスポンサーシップみたいな形でのインストリーム等と組み合わせてもいいかもしれない。そうすると、素材がたくさんあった時にそれをどのように流していくのか?というところが最も大事になってくるんです。
CA川越:
“企画で展開する“というクリエイティブですね。素材の時だけではなくて、結局、内側でブランドの企画を立てるということ。
橋本氏:冒頭(
前編の)でお話していた二つ目の方ですよね。「【2】企画で展開」の。
Nina氏:先ほどの配信ロジックについての話は、詳細を公開できないこともあるんですが、ただあらゆるフェーズにおいてどんな素材を用意しておくのか?という時に、今の話を参考にしていただけたら。色々と組み合わせもしますし、テストも行いますのでお役に立てるのではないかなと思いました。
CA竹ノ内:ゲームのプロモーションにおいて、本ローンチ前に事前登録がありますが、本ローンチ時と事前登録時のプロモーションについて、お聞きしたいです。
例えば、事前登録のプロモーションであればこういうクリエイティブで、本プロモーションではこういうクリエイティブが良い、など。
これは、ダイレクトプロモーションの場合において、どう考えるのがいいんだろう?と話題に上がったばかりでしたので、このあたりのクリエイティブの違いや考え方について事例などもしありましたら。
Nina氏:この場合、どうしてもパフォーマンスの話になりがちなので、短期的な話ではなく、本当の意味でのROIという観点では、利用者の皆さんに楽しんでもらうとか期待値を高めるようなコンテンツがあるといいんじゃないかなと思うんです。
ティザー期において、ツイートの範囲内で見ていて感じることは、事前登録時にはゲームの世界観や期待値を約束するようなコンテンツが多いし、それはとても大事なことだと思います。
なのに、アクションを早く促したいが故に、「ダウンロードしてください」などの表示をやりすぎる傾向があるんじゃないかなと。
大事なことは、登録させるアクションの前に、世界観や面白いポイントをきちんと伝えていくというところ。ティザー期にはまだやれる余地があるのではないかなと思います。
Jake氏:質問なんですけれども、
事前登録と本ローンチは、もしかして潜在層と顕在層と分けて配信している、ということはあるんですか?
CA竹ノ内:フォロワーと言うか、事前登録した人はアカウント構造を分けてやっています。
CA川越:事前登録の方が、どちらかというと絶対に登録してくれそうな人。コアファン、顕在層ですよね。
Jake氏:よく、長尺と短尺という話をしている時に、一般的にはマスは15秒以下がいいと言われていますが、例外的に、長尺がOKな基準はもちろんあると思っています。例えば、コアファンに対してはもっと情報を出しても良い、など。
そして、“興味があるかどうか分からない層”には、短尺でちょっとだけテンションを引いて、例えばリタゲを違う形でフォローするようなこともあります。
CA川越:ゲームに限らず、ブランドのプロモーション時に長尺をちゃんと作る人というのはもちろんいるんですが、全体的にいうと、長尺で人を惹きつけられるストーリーというのを作れる人は世の中にそんなに多くいるわけじゃないんです。
”クリエイティブの力”というのをちゃんと信じれば、2分とか長くても人は動くんです。エンゲージメントするものができるといいのですが。例えば、なるべく人を惹き付けようと思った時は、短いアイデアをたくさんやった方が効率いい。
Nina氏:オーディエンスの視聴態度が変わってきているのもあって、期待値がすごく高まっています。昔は30秒の動画を見ることに対しての期待値や、逆に言うと障壁みたいなものはなかったかもしれないのですが、今の時代においては、長尺を見るにはそれなりの理由がブランド側から提供されていないといけない。
どんなコンテンツでユーザーに期待値をもたらすのか、そのような工夫をしないと見てくれない時代になってきているんじゃないかなと。
CA竹ノ内:そうですね。余計に難しくなってきてしまいましたね。
弊社では、
短尺動画に特化したクリエイティブを作る子会社「6秒企画」という会社を立ち上げています。この会社は短尺の動画しか作りません。6秒など短尺の動画というものが、今までの長尺のようにひとつのストーリーが、全て綺麗に起承転結がある動画ではなくて、そもそも文化が今までと違うと考えていて。
各業界をしっかり掘らなくてはならないとなった時に、きちんとこの文化を創っていこうと、専門会社を立ち上げたんです。
Nina氏:大きいブランドですら、だからこそ今まさに実験的にやってみる、という状況になってきています。ただ、どのようにやっていいのかが分からない。
なので、御社のようにそれが体系立てて出来ているところはまだまだ少ないんじゃないかなと思います。
-両社に期待すること、今後の展望
Nina氏:御社のように、新しい取り組みを引き続きやって頂けていることはとても素晴らしいと思います。その時に、我々がどのようにして役立てるか?というところを是非お話ししていきたいですね。
どういうものが効いているのか、ルールの方針、仮説立てなど、お役に立ちたいですね。会話や企画の段階においても、どういうところがより効いていくのかというところを次のフェーズで検討して いきたいです。
「クリエイションの徹底」を私とJakeのチームでやっており、「企画で展開」についての領域を橋本が所管するTwitter Next(旧ブランドストラテジー)チームがやっているところです。まさにこの両方をどう合致させられるのか?ということが、今後さらに大事になってくるところと思います。
橋本氏:プラットフォームライクに、つまり「Twitterだったらどうか?」という考え方を主軸に今、戦略を作っている途中です。
それを一番知っているのはもちろん御社だし。我々としても、御社の配信させてもらったデータを使って色々と組んで行くので、そこのすり合わせや様々なアイデアの交換を引き続き是非させていただきたいです。
あとは、Twitter活用における、「Web広告はこういう方がいいよね」というところから、「スマホだったらこういう広告がいいよね」となり、さらには「Twitterだったらこういう広告がいいよね」と言う風にどんどん細分化されていっているのですが、これがこの先またもう一段掘られてくると言うか。
例えば、「Twitterの自動車の業種だったらこういう広告がいいよね」とか。それも結局ルール化していった方がまた面白くなっていくので、粒度をどんどん落としイメージをしながら、一緒にどのように実現できるか?という先を見据えた議論をしていきたいです。
Nina氏:業種もそうですが、目的という観点においてももしかしたらそのレベルを下げられるかもしれないですね。
“ローンチ”と“コネクト”というのが、我々としては今見えているものですので、”ローンチ”の場合には、それが自動車であれゲームであれ、何が効くのだろうか。ということ。
“コネクト”の場合には、どういうカルチュラルモーメントがあるのか?ということ。
例えば、オリンピックがある時にはいろんなモーメントに合わせて、どういうものを作っていったらいいのか、というのが分かるといいですね。
CA竹ノ内:今後多くの刺激的なアドフォーマットを一緒に作っていきたいですね。
Nina氏:我々もそう思います。引き続き宜しくお願いします。