2019/10/2 Wed
グローバルからみるTwitter活用における動画クリエイティブ【前編】
Twitterグローバル観点でのブランドクリエイティブ活用についてディスカッション!
Twitter Inc. より、Nina氏、Twitter Japanより、ズウェルジキ・ジェイク氏、橋本氏を迎え、
Twitterのグローバル観点から、動画クリエイティブの考え方の共有を頂き、Twitter活用におけるクリエイティブについて、当社社員とディスカッションを実施しました。
前編・後編に渡り、ディスカッション内容をお届けいたします!
Nina Mishkin @mishkin
Twitter Inc.
グローバルビデオソリューションズ
グローバルコンテンツ戦略担当
ズウェルジキ・ジェイク @JakeRockCity
Twitter Japan 株式会社
グローバルビデオソリューションズ
日本担当
橋本 昇平 @shoher
Twitter Japan 株式会社
Twitter Next(旧ブランドストラテジー)
マネージャー
川越 寛之
株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部
プラットフォームクリエイティブセンター/グローバルクリエイティブ局
局長
竹ノ内 亮太
株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業本部
Twitter局 局長
ー Twitter活用におけるクリエイティビティとは
Nina氏:Twitter活用における企業の新商品や発表のローンチ時において、“Connect with what’s happening”というのが、Twitterで最もお勧めしている方法の一つです。その時に、クリエイティブにおける2つのアプローチがあります。
まず1つ目が、【1】クリエイションの徹底です。
情報や広告への需要度が高い人たちに対してどのような広告フォーマットが最適なのか。どうやってそのクリエイティブを消費してもらえるのか、というところをきちんと考え、設計することが大事です。
2つ目は、【2】企画で展開です。
会話が発生するためには、どういう企画を展開していくか?が大事である、ということです。
また、1つ目についてはどうやったら最適なフォーマットを作れるのか?ということ。ここは、私のチームで取り組んでいます。加えて、日本において特に大事な話だと思うのですが、2つ目の企画上でどのように会話を生み出し、エンゲージメントを深めていくのか?ということがあげられます。
この両方を一貫してかんがえることがとても大事だよね、ということを最近全社で啓蒙しているところなんですよ 。
ー 理想的なクリエイティブフォーマット
Nina氏:会話を生み出す広告フォーマットに好例に、「ナイトジョガー」という夜に使うランニングシューズがローンチされた時の事例があります。
Twitterには背景が黒にする設定「夜間モード」があったので、それに合わせて、背景を黒にした時にだけ出現するように、全て白色にした絵文字をブランド絵文字として作成しました 。それによって偶然そのことに気付いた方のツイートから自然に会話が広がっていくような設計にしたんです 。
このクリエイティブフォーマットにより、会話がすごく盛り上がり、結果として、当該期間における
世界中のスニーカーにまつわる会話のうち、なんと4割の会話を占めるほど、この施策が貢献したと言われています。
(参照:
https://twitter.com/adidasoriginals/status/1115653980816855040)
さらに、 クリエイティブフォーマットの動画の尺の話をすると、まず、秒数は15秒以内が理想的ですね。「アベンジャーズ」のクリエイティブを例に挙げると、まさに冒頭3秒間で言いたいことを全て伝えているという、すごく良い事例だと思います。
「ブランドの価値」を同時に訴求することがとても重要な場合、新しい取り組みにおいて、商品自体を画面下部に、動画の冒頭から表示する形でのクリエイティブというのが、ブランドらしい表現ですね。
「
冒頭3秒がすごく大事」なのですが、CM素材ではそう設計されていない場合、画面下部でそういった話を見せられるというのは面白いアプローチだなと思っています。
これは、日本ならではのフォーマットかもしれないですね。今回の日本出張中に、タイムライン上でこのフォーマットのクリエイティブが出てきて、すごく新しい取り組みだなと感じていました。
CA川越:なんかでも広告といえば広告っぽいですよね。
Nina氏:会話を促すという観点では、「広告っぽすぎる」というのはあるかもしれないですが、おそらく目的が、「買わせる」となった時には、潔くこのくらい表示する方が機能するのではないでしょうか。
要するに、目的に応じて使い分けるべきでしょうね。
ーサイバーエージェントのTwitterのクリエイティブ体制について
CA川越:プラットフォームごとに、より最適なクリエイティブを制作できる体制に改編しました。ルール設計や、Twitterの効果を高めるにはどのようなフォーマットが最適なのか?など含めて様々な内容をチームで追求しています。基本的には、ルール設計し、それを守ってクリエイティブを作ることを徹底しています。
直近の成果で言うと、「僕らが定めた編集のルールに沿って作ったクリエイティブ」と、「沿わなかったクリエイティブ」で分類しインプレッションシェアを比較したところ、「ルールに沿って作ったクリエイティブ」の方が、200%程度インプレッションが高いことが見えています。
これは、企画が絡まないダイレクトレスポンスの案件が多いのですが、ブランド案件においても基本的には同じルールを設計し、デザイナーは同じルールに沿って制作していきます。
ルールは随時更新していく予定ですので、”貴社のクリエイティブ事例でこんなことが効果的だった”などの情報を教えて頂けたらそれもルールに追加して、どんどん厚みをもたせていきたく考えています。
CA竹ノ内:先日のニューヨーク出張でNinaさんにお会いした時も、僕らはまさにこのルールを設計中だったので、川越からしつこく、「どのようなルールがありますか?」と聞いていたんです(笑)。
Nina氏:そうなんですね。世界中でもこのような取り組みをしている代理店様を見たことがないので本当に素晴らしいと思います。
― クリエイションを徹底する大事な要素
CA竹ノ内:なので、さっきプレゼンして頂いた「Twitterにおけるクリエイティビティ」の重要な2つの要素のうちの、「【1】クリエイションの徹底」の部分に、かなり寄与するところだと思います。このあたりは我々の強みです。
Nina氏:まさに、その「【1 】クリエイションの徹底」について考えた時に、私たちは、特にモバイル向けに。ということをお伝えしようとしているのですが、それを忠実に実践して頂いているパートナーの方々はそれ程多くない印象です。
なので、当たり前かもしれないことを敢えてみなさんにお伝えしているんですが、貴社はすでにしっかりとやられているんですね。とても素晴らしいと思います。
ニューヨークで先日お会いした際には、そこまでお話しできなかったのですが、ツイート文もすごく大事な要素だということが分かっています。さらにもう一つ、関連性ということがより大事だということも調査で分かっています。
もしかしたらそれをカレンダーみたいな感じで引いて、どのモーメントが最も関連性が高まるのか?というのをプランしてテストされるともっと成果が見られるのではないでしょうか。
CA竹ノ内:ツイート文は重要だと分かっているので、テキストについてのルールも設けてますが、割とそこはまだ曖昧ですね。
弊社の調査でも、Twitterにおけるテキストの影響力はとても高いことが分かっています。なので、どのように作るか。とても大事ですね。
少しテキストから離れてしまうのですが、ルール設計の取り組みについて、我々の独自のソリューションで、AI の効果予測シミュレートをテスト的に行っています。
CA川越:このようにクリエイティブのルールをどんどん追加していきたいんですよね。なので、「こういうルールやこの要素は絶対に入れた方がいい」とか、例えば作ったクリエイティブに対して、「ここをこういう風に変えた方がいい」等のようなご意見を頂ける場を今後設けられたらと思っています。
Jake氏:そうですね。ルールのチェックやレビューし合ったりする場ですね。
CA川越:クリエイティブベースで会話ができると嬉しいです。我々がいいと思って作ったものがTwitter 的には「こういう要素が加えた方がいいんじゃないか」「ここはもうちょっと短くていいんじゃないか」等の意見をもらえたら、僕らのルールに組み込んでいきます。
ー Twitterにおける動画広告の3つのトレンド
Nina氏:動画において3つトレンドがあります。最初から全部モバイル向けに、絵コンテを含めゼロから全て動画を作っていくとやり方が一つ。
次が、屋外広告など元ある素材イメージとかを動画っぽく動かすという形のもの。
最後に、元あるCM素材などをカットダウンしてモバイル向けに最適化する、という3つのアプローチがあります。
CA竹ノ内:はい、全く同じように考えているんですが、僕らの理想は、モバイル向けには全部オリジナル制作であること。ただ、なかなかそうもいかないのが実情で、例えば30秒の CM 素材があった時に、まだそのまま流したがるお客様ってすごく多んです。
モバイル向けに効果を出すのであれば、元CM素材を分解して、ファースト、セカンドってやりたいんです。それを了承してくれる企業とそうでない企業がもちろんいるので、そこはもうちょっと時代を待とうかなと。
CA川越:もう一つ、日本だとテレビCMの投下量がまだまだ多いというところ。
なので、CMと同じクリエイティブを Web で流す場合に、CMで当たっているからWebでもその同じクリエイティブが当たると思っている。
「Web向けのオリジナルクリエイティブを制作しテストしよう」と提案しても、テレビCMではこのクリエイティブが当たっているという事実があるので、正しく比較ができない。結局、当たっているテレビCMのクリエイティブが強いのでモバイル向けにもその素材で。という判断をまだまだされてしまいます。
CA竹ノ内:難しいところではありますよね。
Nina氏:米AppleのAirPodsの CM が今流れていると思うんですが、Webで流れている動画は、元のCM素材を繋ぎ合わせて、Web用に仕上げている。まさに今っぽいやり方だなと感じています。このあたりはトレンドがあるんじゃないかなと思います。
▼後編記事はコチラ
https://www.cyberagent-adagency.com/talk/506/
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取材・執筆: 加藤 貴子 (株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 広報)
撮影 : 杉 麻子(株式会社サイバーエージェント デザインファクトリー)
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